FIYO ON THE BAYOU

The MetersはJoseph Modeliste, George Porter Jr., Leo Nocentelli, Arthur Nevilleによる極上のファンク・ユニット。当初はMG's的なインスト・グループでしたが、リプリーズ時代になるとロック・テイストをも加味した ヴォーカル・インストゥルメンタル・グループとして活躍しました。その演奏は多くのアラン・トゥーサン・プロデュース作品でも聴くことができます。

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FIRE ON THE BAYOU / THE METERS (1975)
REPRISE MS 2228 (US)
A-1. Out in the Country
2. Fire on the Bayou
3. Love Slip Upon Ya
4. Talkin' 'Bout New Orleans
5. They All Ask'd about You

B-1. Can You Do Without?
2. Liar
3. You're a Friend of Mine
4. Middle of the Road
5. Running Fast
6. Mardi Gras Mambo

PRODUCED BY ALLEN TOUSSAINT AND THE METERS

CD : REPRISE 8122-73548-2  (2001 GER)
(plus 5 songs)
Running Fast (Single Version), Keep on Marching, He Bite Me, A Mother's Love, Jambalaya


リプリーズ移籍第3作目、ベースの音が太くてデカい。ジミヘンっぽいロック・ナンバーB-2.やぐっと落ち着いたヴォーカ ル・ナンバーB-3.、ケイジャン/カントリーなA-5.でのとぼけた感じなど広がりのある曲調にも余裕が感じられますが、ファンク・ナンバーにおいても ディープなリズムの求心力はそのままにマイルドなしなやかさをも併せ持った深い味わいが印象に残ります。タイトル曲でのギター・カッティングとオルガ ンの鋭い絡みに顕著ですが、各楽器の音色がピタリと合っているのもバンドの一体感をより強く感じさせます。このアルバムから5人目のメンバーCyril Nevilleが参加し若々しい躍動感も加わりました。
アー トも参加していたHawkettsのB-6.では、オリジナルの持つノー天気な雰囲気をそのまま再現しているのが微笑ましいですが、この曲のヒットは1955年 だそうで、彼の長いキャリアも感じさせる選曲となっています。CDのオマケもこれまた強力で、ケージャン+スカみたいなジャンバラヤなんか最高!
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Rejuvenation / THE METERS (1974)
REPRISE PLP-7004 (WPL-20) (1988 JP)
A-1. People Say
2. Love Is for Me
3. Just Kissed My Baby
4. What'cha Say
5. Jungle Man

B-1. Hey Pocky A-Way
2. It Ain't No Use
3. Loving You Is on My Mind
4. Africa

PRODUCED BY ALLEN TOUSSAINT AND THE METERS

CD : REPRISE 8122-73547-2  (2001 GER)
(plus 2 songs)
People Say (Single Version), Hey Pocky A-Way (Single Version)

カーニヴァル・ソングの改作といわれる'Hey Pocky A-Way'を初めて聴いたのはおそらく夕焼け楽団のライブ。近所の大学の学園祭に友人とぶらりと出かけたのでしたが、階段教室みたいな会場でのんびり始まっ た演奏も久保田氏の節回しと良くマッチしたこの曲が始まる頃には大騒ぎの大盛り上がり大会になったのでした。B-4.は渋谷でのネヴィル・ブラザースのライブ演 奏で聴いてブッ飛んだものでした。
さ て、こ ちらのリプリーズ移籍第2作目はピアノのフレーズが何とも愛らしいB-3.以外、完全無欠、質実剛健なファンク満載、といっても色合いはさまざまで、アー トのソウルフルな歌が染み入るミディアム調のA-2.あり、すき間を這うようなジョージのベースが活きるA-3.、4者が呼応しあうように展開される濃密 なインプロヴィゼーションがスゴいB-3.など、何度聴いても飽きのこない内容です。プロデューサーの貢献度はそれほどでもない、とのことですが、B- 4.あたりのちょっと屈折したポップ感覚と眩暈がしそうにループするコーラス等はトゥーサンの仕事でしょうか。へヴィながら引き締まったサウンド構成も見 事とい う他ありません。
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TRICK BAG / THE METERS (1976)
SUNDAZED SC 6170 (2000 US)
1. Disco Is the Thing Today
2. Find Yourself
3. All These Things
4. I Want to Be Loved by You
5. Suite for 20 G
6.
(Doodle-Loop) The World Is a Bit Under the Weather
7. Trick Bag
8. Mr. Moon
9. Chug-A-Lug
10. Hang 'Em High
11. Honky Tonk Women

PRODUCED BY ALLEN TOUSSAINT AND THE METERS

本人も参加のアール・キング作7.、ポップでファンクな8.、ズレたリズムが絶妙な9.がまず最高。ギターがフィーチャーされたJT作品5.なんかの軽い ミー ターズもこれまた良い雰囲気です。ちょいとMFSBしてみたり若干小ぶりな印象の曲もありますが、悪くない出来かと思われます。ジャケットがカッコ良いの で買おう買おうと思っているうちにアナログ盤がなくなってしまってCDになって初めて聴けたアルバムでした。本人達の承諾なしに発売されちゃったものら しいですが今となってはあまり関係ないかも。
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WILD TCHOUPITOULAS (1976)
ISLAND PSCD-1129 (1991 JP)
1. Brother John
2. Meet de Boys on the Battlefront
3. Here Dey Come
4. Hey Pocky A-Way
5. Indian Red
6. Big Chief Got a Golden Crown
7. Hey Mama (Wild Tchoupitoulas)
8. Hey Hey (Indians Comin')

PRODUCED BY ALLEN TOUSSAINT & MARSHALL E. SEHORN

ワイルド・チャパトゥーラスとはネヴィル兄弟の叔父さんでもあるビッグ・チーフ率いるマルディグラ・インディアンのパフォーマンス・チーム。阿波踊 りの連みたいなものでしょうか。このチームとミーターズおよびネヴィル兄弟が合体してこのアルバムは作られたそうです。かなりカリブ海寄りのカーニヴァ ル・ソング主体ですが兄弟の結束力の力か小気味よく締った演奏で、後のネヴィル・ブラザース怒濤のライブでのアンコール場面が想起される内容です。 'Hey Pocky A-Way'はミーターズのヴァージョンとはメロディがちょっと違っている。契約の関係でトゥーサンの名前がクレジットされてはいますが、実際のところはネヴィル兄弟主導の作品といえるでしょう。
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A-1. Say It Again 2. God Must Have Blessed America
3. Soul Mine 4. Keep on Doing It to Me
5. Thank You

B-1. Night People 2. Can I Be the One
3. Babe 4. Draining

PRODUCED & ARRANGED BY ALLEN R. TOUSSAINT

Night People / Lee Dorsey (1978)
abc AA-1048 (US)
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1.Yes We Can, Pt. 1 2.Sneakin' Sally Through the Alley
3.Occapella 4.Riverboat 5.O Me-O, My-O
6.If I Were a Carpenter 7.When the Bill's Paid
8.Place Where We Can Be Free
9.Hello Good Looking 10.As Quiet as It's Kept
  11.Lonely Avenue 12.Games People Play
13.On Your Way Down 14.When Can I Come Home?
15.Tears, Tears, and More Tears
16.If She Won't (Find Someone Who Will)
17.Gator Tail 18.Who's Gonna Help Brother Get Further?
19.Yes We Can, Pt. 2 20.Freedom for the Stallion

PRODUCED BY ALLEN TOUSSAINT & MARSHALL E. SEHORN


Yes We Can ...and Then Some
/ Lee Dorsey (1993)
Polydor 313 517 865-2 (US)

若干枯れ気味の味わい深い歌声が素晴らしいリー・ドーシーの'78年作品は、トゥーサン節満載ながらもカラフルかつバラエティ豊かな内容で、非ミーターズ モノの中でも屈指の作品でしょうか。トゥーサン本人ヴァージョンより5倍濃いタイトル曲を初め楽曲の質も高く、エレガントなピアノの響きと共にJames Bookerによる渋いオルガンも聴き逃せませんね。
そ ういえば割と最近この"Night People"と'70年の"Yes We Can"が2 in1の仕様でリイシューされていたのですが、片一方を所有しているため入手をためらっていたところ、うまいこと見つかったのが'93年の"Yes We Can"拡大版。こちらはもちろんミーターズ主体の演奏ですが、懐の深いビートに独特の軽み、ルーズに見えながら緻密なアレンジという、相反する要素が混在してい るかのような不思議な印象が残ります。何というか米国産の音楽を聴いているという感じがあんまりしないんですね。それにしても有名曲目白押しで('Freedom for the Stallion'はサイコー!)繰り返し聴きたくなってしまいます。
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