OCTOBER ROAD


jt

JT / James Taylor (1977)
Columbia JC 34811 (US)
A-1. Your Smiling Face
2. There We Are
3. Honey Don't Leave L.A.
4. Another Grey Morning
5. Bartender's Blues
6. Secret O' Life

B-1. Handy Man
2. I Was Only Telling A Lie
3. Looking For Love On Broadway
4. Terra Nova
5. Traffic Jam
6. If I Keep My Heart Out Of Sight

Produced by Peter Asher

当時の"GO GO NIAGARA"で、ジミー・ジョーンズの(坂本九ちゃんみたいな)B-1.のオリジナルを聴いて、この曲がこんなになっちゃうのかぁ、と思わずニンマリ したものでし た。JT節炸裂のこのカヴァーと、珠玉の名カントリー・ワルツA-5.という二大名曲を生んだこのアルバムは、音の分離がすこぶる良く明快なロック・アル バムに仕上 がっています。特にA面は冒頭曲を筆頭にアコースティック・ギターの出番が少なく、太いバンド・サウンドが特徴、ギターやベースの音色も以前と大分印象が 違うの は録音方法の変更のせいでしょうか。B面にいくとゴスペル風味の曲やアカペラなど変化に富んだ内容となり、アコースティック・ギターも目立ってきます。 "One Man Dog"の頃を思わせるB-6.やB-3.など佳曲が多い。
cup


moon

New Moon Shine / James Taylor (1991)
Columbia CK 46038 (US)
1. Copperline
2 Down In the Hole
3. (I've Got To) Stop Thinkin' 'Bout That
4. Shed a Little Light
5. The Frozen Man
6. Slap Leather
7. Like Everyone She Knows
8. One More Go Round
9. Everybody Loves To Cha Cha Cha
10. Native Son
11. Oh Brother
12. The Water Is Wide


Produced by Don Grolnick


'77年の"JT"以来、リアルタイムで久々に購入したこのアルバム、1曲目のシャラシャラとした硬質のアコースティック・ギターが鳴り出すと、JTの若 々しい声が流れてきて、ああこの声なんだよな、と一人で満足して頷いたものだった。その1曲目、サムクックの9.、そしてラストの12.、この3曲が傑出 し ていると思うが、サム・クックのカヴァーは(以前のカヴァー曲にもいえるけれど)JTのセンスの良さが発揮されていて思わず体でリズムをとってしまうよう な軽さ がある。12.はトラディショナルをプロデューサーのドン・グロルニックとJTがアレンジしたもので、カーラ・ボノフのヴァージョンも思い出させる(誰の 歌かは知らないがテレビのコマーシャルで耳にした覚えもある)。朗々 とした伸びやかな歌声は聴いている我々に切々と訴えかける深さを湛えているようだ。
kettle


oct

October Road / James Taylor (2002)
Columbia CK 86695 (US)
CK 86695
1. September Grass 2. October Road
3. On the 4th of July 4. Whenever You're Ready
5. Belfast To Boston (God's Rifle)
6. Mean Old Man 7. My Traveling Star
8. Raised Up Family 9. Carry Me On My Way
10. Caroline I See You 11. Baby Buffalo
12. Have Yourself A Merry Little Christmas

CSK 58980
1. Don't Let Me Be Lonely Tonight
2. Benjamin
3. Sailing To Philadelphia

Produced by Russ Titleman

ボーナス・ディスク (CSK 58980) 付きのLimited Edittionだが、3曲目の'Sailing To Philadelphia'が実に良い。マーク・ノップラーが作った曲をJTと共演していて、イントロでマークのエレキが入って彼の渋い声で訥々と始ま り、JTとマークが交互にメロディをとり、サビでは二人のハーモニーが聴けるという構成で涙が出 るほど大変良くできた曲だ。アルバム本体の方もこれまた良くできていて、'September Grass'、'October Road'、'On the 4th of July'と続く冒頭の3曲は季節感をくすぐられる。秋も深まり空が澄み渡って高くなる頃、いつもこのアルバムを引っ張り出して聴いている。ラス・タイト ルマンのプロデュースはJTにとって欠かすことの出来 ない感覚的な歌心をうまくとらえ、それを音楽で表現する方法をとっている。これはもう永い付き合いの中で育まれた二人の共有財産であり、次のアルバムも待 たれる見事な出来映えだ。
kettle


mirror

Three-Way Mirror / Livingstone Taylor (1978)
Epic ESCA5447 (US)
A-1. Going Round One More Time
2. L.A. Serenade
3. Gonna Have A Good Time
4. Train Off The Track
5. I Will Be In Love With You
       
B-1. No Thank You Skycap
2. I'll Come Running
3. Living Without You
4. Southern Kids
5. How Much Your Sweet Love Means To Me

Produced by Nick DeCaro

JTの"Gorilla"がポップス路線の頂点ならば、 ニック・デカロ・プロデュースの本作は、LivのAOR決定版といえる仕上がりになっている。特にA 面5曲は全て耳について離れない。'My heat had been broken / I could not stand no more / I put locks on my windows / And bolted tight my door' と始まるA-1.はシンプルな歌詞のラブソング。フィドルやスティール・ギターがバックを彩るカントリー調のA-3.、バラードのA-4.、「君に恋しそ う』と歌われるA-5.など、どの曲をとってもポップスのお手本のような曲が並んでいる。
JT自身がLivから最初にギターを教えてもらったと言っているのは有名な話だが、教えてもらったJTの方が素晴らしいテクニックを身に付けたというのは 皮肉なものだ。Livのギターはこのアルバムでは聴けないけれど、ギターの上手さという点では、両者には雲泥の差があることは誰もが認めるところだろう。 とにかくLivのアルバムで一番気に入っているのがこのアルバムだ。
kettle


single1

COUNTRY ROAD / SUNNY SKIES (1971)
James Taylor
Warner Bros. P-1020W (JP)
single2
 
SHOWER THE PEOPLE / I CAN DREAM OF YOU (1976)
James Taylor
Warner Bros. P-37W (JP)

「カントリー・ロード」のシングル・ヴァージョンは完全別テイク、最近ではCDでも聴け るようになりました。アルバムより速度を落としコーラスも加えて少しばかり重厚な演奏となっています。ベースのクレジットはリー・スクラー。曲そのものが 魅力があるので、どちらのヴァージョンにも捨てがたい良さがあります。'SHOWER THE PEOPLE'のB面はアルバム未収録曲。Livの"Over The Rainbow"収録の佳曲を素晴らしいストリングスをバックにゆったりと大切に歌っています。エレピの響きも印象に残ります。
cup

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