YOU'VE GOT A FRIEND


writer

Writer / Carole King (1970)
SONY MHCP 256 (2004 JP)
1. Spaceship Races
2. No Easy Way Down
3. Child of Mine
4. Goin' Back
5. To Love
6. What Have You Got to Lose
7. Eventually
8. Raspberry Jam
9. Can't You Be Real
10. I Can't Hear You No More
11. Sweet Sweetheart
12. Up on the Roof

PRODUCED BY JOHN FISCHBACH


JO MAMAプラスジェイムス・テイラーという布陣で臨んだファースト・ソロ。なにしろ2作目以降がモンスター級のヒット作なので、あわてて聴かなくてもまぁ いいか、的な考えで後回しになりがちな作品(私もそうでした)かもしれませんが、新しいサウンドを獲得したメンバー全員の喜びが感じられるような、才気、 生気に溢れた演奏がギッシリと詰まっており、聴き込むほどに味わいが増してくるようです。2.〜4.の有名曲ではツイン・キーボードのメリットを生かした アレンジで完成度を高めていて、2.のオルガン、3.のハープシコードの音色は特に印象に残ります。また8.〜10.に聴かれるセッション風なバンド感覚 もこのアルバムならではかもしれません。グッとスローに 迫ってくる7.のイントロや、リズミカルにアレンジされた4.のソロなど、あちらこちらでジェイムス・テイラーのギブソンが意外なほど前面に出ているのも 楽しみのひとつ。 JO MAMAの志向とも関係があるかもしれませんが、同時代のニューソウル/ラテン的ニュアンスや、The Bandへの憧憬がかすかに聴き取れるような気もしています。
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lipton

Peggy Lipton (1968)
 
ODE Z12-44006 (US)
A-1. Let Me Pass
2. A Natural Woman
3. Memories of a Golden Weekend (Or How I Got the Acapulco Blues)
4. San Francisco Glide
5. Stoney End 
6. Who Needs It 

B-1. Hands off the Man (Flim Flam Man)
2. It Might as Well Rain Until September
3. Wasn't It You?
4. Lady of the Lake
5. Honey Won't Let Me

PRODUCED BY LOU ADLER

人気の女優さんのアルバムということで、普通のアイドル物かと思うとそうでもなくて、自作と5曲のキャロル・キング作品、そしてローラ・ニーロの2曲 で構成された、わりと大人の雰囲気のアルバム。ちょっと全体にストリングスが出しゃばりすぎという気もしますが、ローラ・ニーロのB-1.などは比較的軽 快に歌われていて、出来が良いようです。キャロルさん絡みのB-3.はペトゥラ・クラークも演っていたマイナー調の佳作、A-6.とか60'sムードのB -4.などは、他では聴いたこと がない曲ですね。A-2.は大人しいアレサ・フランクリンの趣、B-2.はテンポを落としたちょっと気怠い感じのアレンジになっております。自身の作品に は意外と凝った作品が多いみたいですが、中でもライトなソウル・テイストが感じられるA-1.の出来が群を抜いているようです。当時ペギー・リプトンさん はテレビドラマ「モッズ特捜隊」というのに出ていたらしく、私はほとんど見ることが出来なかったのですが、周囲ではも結構人気だった記憶があります。
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mud

Mud Slide Slim And the Blue Horizon / James Taylor (1971)
Warner Bros. P-6406W (JP)

A-1. Love Has Brought Me Around
2. You've Got A Friend
3. Places In My Past
4. Riding On A Railroad
5. Soldiers
6. Mud Slide Slim

B-1. Hey Mister, That's Me Up On The Jukebox
2. You Can Close Your Eyes
3. Machine Gun Kelly
4. Long Ago and Far Away
5. Let Me Ride
6. Highway Song
7. Isn't It Nice To Be Home Again

Produced by Peter Asher
USLP : Warner Bros. BS-2561

フランス語の'Tutoyer'(チュトワイエ)という動詞は、第二人称のVous「あなた」という意味の改まった言い方を、より親密になった友人や家族 または男女のカップルに「君」を用いて、君と僕で話す、という意味になる。'65年に録音されたEric Andersenのデビュー・アルバム"Today Is The Highway"に収められた'Come To My Bedside'が日本で話題になり、日本語の訳詞も付いて当時のフォーク・シンガーに歌われたのは有名な話だが、ここで正に「君と僕」の使い方が見てと れる。'71年発表のキャロル・キング作詞作曲による'you ve Got A Friend'が収録されたこの「マッド・スライド・スリム」において「君と僕」の世界が頂点に達したといっても過言ではないだろう。「君が悩んだり落ち 込んだりしている時は、僕の名前を呼べばいい、すぐに行くからね」という歌詞の内容を見ても、チュトワイエの関係性が明白に描かれている。
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dusty

Dusty in Memphis / Dusty Springfield (1969)
RHINO R2 75580 (1999 US)
1. Just a Little Lovin' 2. So Much Love
3. Son of a Preacher Man 4. I Don't Want to Hear It Anymore
5. Don't Forget About Me 6. Breakfast in Bed
7. Just One Smile 8. Windmills of Your Mind
9. In the Land of Make Believe 10. No Easy Way Down
11. I Can't Make It Alone

12. What Do You Do When Love Dies 13. Willie & Laura Mae Jones
14. That Old Sweet Roll (Hi-De-Ho) 15. Cherished
16. Goodbye 17. Make It with You
18. Love Shine Down 19. Live Here with You
20. Natchez Trace 21. All the King's Horses
22. I'll Be Faithful 23. Have a Good Life Baby
24. You've Got a Friend 25. I Found My Way


Produced by Jerry Wexler, Tom Dowd and Arif Mardin
Produced by Gamble-Huff Productions, Jeff Brry


ちょっとハスキー、でも華やかさもあるとても魅力的な声の持ち主、日頃表現力というようなことをあまり考えない質の人間でも、ここに聴かれる表現の幅の広 さには思わず唸らされてしまいます。本編にはゲフィン/キング作品が4曲、哀愁ソウルな2.、ちょっとモータウン的な5.、ライチャス・ブラザースを思わ せる11.とヴァラエティに富んだ選曲になっていますが、キャロルさんの荒削りなセルフ・カヴァーと比較すると実にスムーズに流れて行く10.あたりに両 者の資質の違 いが感じられます。他にはランディ・ニューマンの作品が2曲、いずれも難曲ですが、余裕で歌いこなしているようです。先日待望の来日を果たしたドニー・フ リッツとエディ・ヒントンの作品である6.もレイジーな雰囲気で素晴らしい出来。さらに未発表やシングル曲を集めた拡大部分には'You've Got A Friend'、JT、ダニー・ハザウェイ/ロバータ・フラックの連続ヒットを経て再び「みんなの歌」へと回帰してゆくことになるこの曲の未来を暗示する ともいえるような快演となっています。ちなみに17.以降のプロデュースはエリーさんとコンビを組んでいたジェフ・バリー。
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Ellie Greenwich
RAVEN RVCD-84 (1999 Australia)
Composes, Produces & Sings (1968)
1. I Want You to Be My Baby 2. Beautiful People
3. Baby Baby Baby 4. Goodnight Goodnight
5. Long Time Comin' 6. Sunshine After the Rain
7. Niki Hoeky 8. Letter
9. Oh How Happy 10. I'll Never Need You More Than This

11. I Don't Want to Be Left Outside 12. Ain't That Peculiar

Let It Be Written, Let It Be Sung (1973)
13. Maybe I Know 14. Wait 'Til My Bobby Gets Home
15. (Today I Met) The Boy I'm Gonna Marry 16. And Then He Kissed Me
17. If You Loved Me Once 18. Be My Baby
19. What Good Is I Love You? 20. Chapel of Love
21. I Can Hear Music 22. Goodnight Baby-Baby I Love You
23. Gettin' Together 24. River Deep, Mountain High

25. Big Honky Baby


エリーさんは「仮歌の女王」と呼ばれるほどいろんなセッションのガイド・ヴォーカルに引っ張りだこだったそうですが、ダスティ・スプリングフィールドも彼 女の歌がお気に入りだったとか。そういえば写真などを見ると容姿も感じが似ているような気もしますね。で、このCDはエリーさんの2枚のアルバムにシング ル曲をプラスしたお徳用盤。ブリティッシュ風味のR&Bの1.がちょこっとヒットしたために、レコード会社からの依頼に応えてわずか二日で作った のが、1968年のファースト・アルバムです。60年代後半にしては多少古臭い気もしますが、短期間で作られた割にはアレンジなどもしっかりとしていて、 ポップス寄りのR&Bとクセのないヴォーカルが楽しめる内容です。自作曲は5曲、良いメロディの4.は軽めのスペクター・サウンドといった感じ、 モータウン調のマイナー・ポップの5.はちょっと荒削りな雰囲気が印象的です。オリジナルではないようですが7.はナンシー・シナトラ風のキュートな R&Bでした。そしてセカンド・アルバムはシャレたアレンジのセルフ・カヴァー集、今聴いてもとても魅力的なアルバムだと思うのですが、残念なが らエリーさん本人はあまり気に入っていなかったそうです。
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