KING HARVEST


america

American Son / Levon Helm (1980)
MCA MCA-5120 (US)
A-1. Watermelon Time In Georgia
2. Dance Me Down Easy
3. Violet Eyes
4. Stay With Me
5. America's Farm

B-1. Hurricane
2. China Girl
3. Nashville Wimmin
4. Blue House OF Broken Hearts
5. Sweet Peach Georgia Wine

Produced by FRED CARTER JR.

JPLP : MCA (VICTOR) VIM-6227

国内盤の中川五郎氏の解説によると、録音がナッシュビル近郊のブラッドリィズ・バーン、名うてのナッシュビル・セッション・ミュージシャンを起用ししかも 「アメリカン・サン」というタイトルにジャケット・イラストレーションの印象も加わり、ナッシュビル・サウンドに転向か、と早とちりしてしまいそうだが〜 云々。実際はその後中川さんも書いているようにナッシュビル・サウンドでもましてやカントリー・サウンドでもない本物の南部ルーツ・ミュージックが展開さ れている。プロデュース担当のフレッド・カーター・ジュニアはカントリー・シンガー達のギタリストを長年勤めて随分と名の知られた存在だそうで、このアル バムではR&Bやロックンロール風のリード・ギターを弾いているのが異色らしいが、ともあれリヴォン自身そんなことは全く気に留めていないよう だ。
kettle


planet

  Planet Waves (1974)
ASYLUM 7E-1003 (US)
A-1. On A Night Like This
2. "Going, Going, Gone"
3. Tough Mama
4. Hazel
5. Something There Is About You
6. Forever Young

B-1. Forever Young
2. Dirge
3. You Angel You
4. Never Say Goodbye
5. Wedding Song

Produced by Lenny Waronker and Russ Titleman
JPLP : REPRISE (WARNER PIONEER) P-8523R

中島みゆきの歌に“思い出は奇麗/本当より綺麗/ありえぬよないい人が/心で育つ”という一節がある。ロン・バケの「君は天然色」でも同じようなことが歌 われているのを見ると、人 の 記憶というものがいかに曖昧なものかということを痛切に感じるわけだ。何十年ぶりかでこのアルバムを引っ張り出して聴いたのだが、昔聴いていた時の印象は もっと ゴツゴツしたロック・サウンドだったような気がしていたのとは裏腹に、こりゃあフォーク・ロックに毛が生えた位のサウンドじゃん、と軽い肩すかしを食らわ された感じだ。ディ ランのアルバムでザ・バンドとしてクレジットがあるのはこのアルバムからだが、隙間のあるサウンドは(このところ『ロック・オブ・エイジズ』をよく聴いて いたこともあって)何か物足りなさを感じてしまい、おまけにB面ラストはディランのギターとハーモニカだけ、ということで、このアルバムにおけるザ・バン ドの バックはつまらなくは ないが、そんなにロックしていないな、と感じた。
kettle


kubota

ON THE BORDER / 久保田麻琴 (2000) 
BEAMS BBR-C-6004 (JP)
1.Occapella
2.Gator Point of View
3.Bon Temps Rouler
4.Magic Hotel Incident
5.遠い願い
6.Marrano
7.Blessing
8.Waimanalo Blues
9.Mezcal
10.I Can See Clearly Now
11.D.S.U.K.
12.Me & Bobby McGee
13.Akubi
14.Oaxaca

15.Long Gone Lonsome Blues
16.Rain On The Border

Produced by MAKOTO KUBOTA

(故川勝正幸氏が書いている力作ライナーによると、この頃すでに放射線治療を受けている状態であった)リヴォンがドラムで参加した「遠い願い」は東京ロー カル・ホンクのアルバムにも収録されている木下弦二氏の作品、ガース・ハドソンやジョン・セバスチャンも加わってウッドストックで録音されたということで すが、実に味わい深い演 奏とヴォーカルで、久保田氏とリヴォンのつながりの深さが伺えます。ふたりの共演は夕焼け楽団のアルバム『セカンド・ライン』以来でしょうか。ちなみに木 下弦二氏はロー カル・ホンクの前身UZUMAKIとしてコーラスにも参加、小唄風のスワンプ2.とアコースティックな小品13.は久保田氏との共作となっています。この ア ルバムはウッドストックの他ルイジアナ、ニューオリンズでの録音も収められていてそれぞれがローカル色豊かな臭みを醸し出していますが、あがた森魚氏の 9.ではケイジャン・バンドとのコラボが意外にハマっていて楽し気なサウンド、アート・ネヴィルの作品を日本語化した11.もチャンキー・サウンドで面白 く も懐かしい。
cup


bobby

BOBBY CHARLES (1972)
  RHINO RHM2 526663 (2011 US)
DISK ONE
1. Street People 2. Long Face 3. I Must Be In A Good Place Now
4. Save Me Jesus 5. All The Money 6. Small Town Talk
7. Let Yourself Go 8. Grow Too Old 9. I'm That Way
10. Tennessee Blues

11. Small Town Talk (Single Version) 12. Save Me Jesus (Mono Single Version)
13. He's Got All The Whiskey (Long Version) 14. New Mexico
15. Homemade Songs 16. Rosie 17. Don't Be Surprised
18. You Were There 19. Radio Spot

DISK TWO
1. He's Got All The Whiskey 2. New Mexico (Demo)
3. Homemade Songs (Long Version) 4. Done A Lot Of Wrong Things
5. Ain't That Lucky 6. Better Days 7. You Came Along
8. Jealous Kind 9. Whatever Happened 10. Livin' In Your World
11. Nickles Dimes Dollars 12. Why Are People Like That
13. Please Please 14. Little Town Tramp 15. Keep Cookin' Mama
16. What Are We Doing? 17. Cowboys And Indians

REISSUE PRODUCED BY MASON WILLIAMS


ベアズヴィル総選挙なんてものが開催されたとしたら、間違いなくセンター最有力であろうボビー・チャールスの72年度作品、エイモスのギターが聴く者を桃 源郷に誘う3.や7.、はたまた名曲10.の完成度、あるいはドクター・ジョンのピアノがファンキーに転がる9.等等、この時代ならではの濃密なレイド・ バック空間 が広がりますが、リヴォン、R. ダンコを基軸にしたザ・バンド的ソウルが確固として感じられます。で、今回のライノ製超拡大版ですが、シングル・ヴァージョンやアルバムのアウト・テイク の他、'74年にベアズヴィル・スタジオで録音されたセッションも大量に追加されています。詳しいクレジットはないですが、こちらでもドクター・ジョン やポール・バターフィールドと共にリヴォン、R. ダンコ(ベースはほぼ全部かな)、ガース・ハドソンらが参加したと思われる音源は驚くほど純度が高く、ちょっと手を加えればアルバム一枚は楽に完成できた のでは、と感じさせてくれます。特に'Such a Night'風な2-11.や、ちょっとミーターズっぽい2-12.ほか数曲はこのままでも十分、という程の出来。1-11.や1-14.などを聴くにつ れ、リヴォン、R. マニュエル、R. ダンコ&ボビーによる天国セッションは果たしてどんなものだろう、などと思いを馳せてしまいます。
cup


carter

I Fell in Love / Carlene Carter (1990)
  AMERICAN BEAT 24222 (2007 US)
1. I Fell In Love
2. Come On Back
3. The Sweetest Thing
4. My Dixie Darlin'
5. Goodnight Dallas
6. One Love
7. The Leavin' Side
8. Guardian Angel
9. Me And The Wildwood Rose
10. You Are The One
11. Easy From Now On

Produced by HOWIE EPSTEIN


仕方がないことではありますが、髭面男ばっかりで季節柄多少暑苦しいぞ、ということで、最後は派手目のお姉様ご登場。数年前、山下達郎氏の番組で紹介され た冒頭曲でのアルバート・リーの超絶早弾きにビックリして買い求めたCDでしたが、軽快なロッキン・カントリーの1.とデヴィッド・リンドレーのバン ジョーが印象的な9.の2曲にヴォーカルでリヴォンが参加していました。まぁゲスト的な扱いで、アルバムの印象を左右するものではありません。ケルト ナー、ハートブレイカーズ、デイブ・エドモンズ、ニコレッタ・ラーソン(懐かしい)等、リヴォンの他ロック系ミュージシャンが多数参加した気楽に聴けるカ ントリー、といったところでしょうか。カーターさんの歌は相変わらず一本調子ですが(笑)、ニック・ロウ風な2.など、ソング・ライティングはなかなか、 悪くありません。
cup

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