TAJ MAHAL

ブルースにとどまらずカリブ海やアフリカ、ハワイアン等の音楽を幅広く吸収して独特の音楽を創り上げているTaj Mahal、ジェシは彼のバンドで長期に亙って活動していました。

taj1

Taj Mahal (1967)
Columbia CL 2779 (US)
A-1. Leaving Trunk
2. Statesboro Blues 
3. Checkin' Up On My Baby 
4. Everybody's Got To Change Sometime

B-1. E Z Rider 
2. Dust My Broom 
3. Diving Duck Blues 
4. The Celebrated Walkin' Blues

PRODUCED BY DAVID RUBINSON

タジのファースト・ソロ。ジェシはもちろんライ・クーダーも参加した何とも贅沢な布陣でブルース・ロックを演っています。ライはリードをジェシに 譲ってリズムギター、最後の曲ではマンドリンを弾いています。ジェシはいかにも当時のブルースギターといった雰囲気で弾きまくっていますが、エルモア・ ジェイムスのB-2.では後年のルーズなノリも顔を出します。スリーピー・ジョンが3曲、ブラインド・ウィリー・マクテルとか他のブルースバンドと違って戦 前のブルース曲が多い感じなのは、ライ、タジの研究家気質の所以でしょうか。
ブラインド・ウィリー・マクテルのA-2.はもちろんオールマンで有名なアレですが、こちらのほうが早い。ジェシのスライドはいつもよりサスティンが効いているような感じでデュアンへの影響が感じられるのですが、どうなのでしょう。ヴォーカルはタジの勝利か。
cup


taj2

GIANT STEP
DE OLE FOLKS AT HOME / TAJ MAHAL (1969)
Columbia CG 18 (US)
GIANT STEP
A-1. Ain't Gwine to Whistle Dixie Anymo'
2. Take a Giant Step
3. Give Your Woman What She Wants
4. Good Morning Little Schoolgirl
5. You're Gonna Need Somebody on Your Bond

B-1. Six Days on the Road

2. Farther on Down the Road (You Will Accompany Me)
3. Keep Your Hands off Her
4. Bacon Fat

DE OLE FOLKS AT HOME
A-1. Linin' Track 2. Country Blues #1
3. Wild Ox Moan 4. Light Rain Blues
5. Little Soulful Tune 6. Candy Man
7. Cluck Old Hen

B-1. Colored Aristocracy 2. Blind Boy Rag

3. Stagger Lee 4. Cajun Tune
5. Fishin' Blues 6. Annie's Lover

 
PRODUCED BY DAVID RUBINSON

タジの3作目は2枚組、というか2つの別々の作品を1組にしたもの。内ジャケのメンバー写真を見るとジェシの方が師匠より目立って写っていたりして。
"GIANT STEP"の方は通常のバンド編成、柔らかいトーンのインストに続きこれまたゆったりクールダウンしたゴフィン=キング作品A-2.が始まる冒頭部分だけ でとても気分が良くなります(ちなみにこの曲、モンキーズのヴァージョンと聴き比べたのですけど〜同じ曲とは思えませんでした)。全編ジェシのギター(時々ピアノ)が八面六臂の大活躍ですが、この辺では珍しくクリアなトーンでカントリーっぽいプレイを 聴かせます。B-1.も御機嫌なカントリー・ロック、ピアノのリズムがメチャカッコ良い。
もちろんブルース的な演奏も多いのですが、ホンキートンク風だったりスタック・ソウルだったりとそれぞれ一味違う展開があります。B-4.は、Levon & The Hawksの'64年作品のカヴァーで、ロビーとガース・ハドソンの共作、魅惑のコードワークとブルージーなギター・ソロが楽しめます。
もう1枚はタジ単独の演奏で、ディープサウスを舞台にした映画のサントラなんかにそのまま流用できそうな作品。B-5.が気に入りました。
cup


pamela

Pamela Polland (1972)
Columbia KC 31116 (US)
A-1. In My Imagination
2. Out of My hands (Still in My heart)
3. Sing-A-Song Man
4. When I Got Home
5. Please Mr. DJ
6. Abalone Dream

B-1. The Rescuer
2. Sugar Dad
3. The Teddy Bears' Picnic
4. The Dream (For Karuna)
5. Texas
6. Lighthouse

PRODUCED BY GEORGE DALY

ニッキー・ホプキンスによる美しいピアノの響きで幕を開けるこのアルバム、ジェシの「タルサ・カウンティ」を作ったパメラ嬢のファースト・ソロで す。タジやライ・クーダーと活動していたこともあるらしい愛嬌のある美人さんです(マッド・ドッグスの一員だったので、山高帽をかぶって楽しそうにコーラ スする映像を見ることができます)。適度に土臭くヌケの良い音作りと飾り気のない元気一杯のヴォーカルは、70年代初頭の瑞々しい空気感をそのまま封じ込 めたかのように響きます。なんかジャクソン・ブラウンのファーストと見えてくる風景が同じかも、とか思ったら、以前親交があったらしいですね。
タジがスライドで参加したB-1.などボニー・レイットっぽい雰囲気ですが、曲作りにもなかなかの才能を発揮しています。ニッキーさんのイントロに再びヤラれるB-4.でのコーラスとギターの響きも良い雰囲気です。天気の良い朝に窓を開け放って聴きたいアルバムです。
cup


taj3

Taj / Taj Mahal (1986)
Gramavision 18-8611-1 (US)
A-1. Everybody Is Somebody
2. Paradise
3. Do I Love Her
4. Light of the Pacific
5. Deed I Do
 
B-1. Soothin'
2. Pillow Talk
3. Local Local Girl
4. Kauai Kalypso
5. French Letter

PRODUCED BY TAJ MAHAL


タジのアルバムでは久々に聴けるジェシのギターですが、早くもカリプソ風味のA-1.のイントロからして目立っています。ミディアム・ソウル仕立てのB- 1.では必殺のイントロを含め珍しくスウィート&メロウな味わいのギターも聴けます。女声コーラスの可愛いB-3.のリズムギターも彼でしょうか。ブルー ス曲A-5.ではもちろんルーズにキメております。
さてベーシック・トラックをハワイで録音したこのアルバム、、カリプソ、スカ、レゲェなどカリ ブ海方面のリズムを基調としつつサウンドの完成度が非常に高いのですが、にもかかわらずというか、音の隙間から海風が吹いてくるような開放感に溢れる作品 となっています。ただノー天気なだけの夏向きミュージックというわけではなく、ラストの曲では南太平洋でのフランスの核実験に反対する内容が(メローなレ ゲェ・サウンドに乗せて)歌われているようです。
cup

MAKE A JOYFUL NOISE

05TOP

HOME