MAKE A JOYFUL NOISE

セッションマンとしてもいろんな作品で印象的な仕事をしているジェシさん。本誌バックナンバーでも既にココとかココでチラリと登場しておりますが、もう少しだけ御紹介。

arlo

Last of the Brooklyn Cowboys / Arlo Guthrie (1973)
REPRISE MS 2142 (US)
A-1. Farrell O'Gara
2. Gypsy Davy
3. This Troubled Mind of Mine
4. Week on the Rag
5. Miss the Mississippi and You
6. Lovesick Blues
7. Uncle Jeff

B-1. Gates of Eden
2. Last Train
3. Cowboy Song
4. Sailor's Bonnett
5. Cooper's Lament
6. Ramblin' Round

PRODUCED BY JOHN PILLA & LENNY WARONKER

CD : Rising Son RSRCD 2124

このアルバムの冒頭、流れてくるのはフィドルの独奏で'Farrell O'Gara'というアイリッシュ・リール、これが印象的で、その後に続く'Gypsy Davy'と好対照をなしているが、全体的にカントリー、アコースティックな作りでアーロにこの手の音楽をやらせるとピッタリはまるな。
で、ジェシなのだが、このアルバムのハイライトとも言えるような'Cooper's Lament'でライ・クーダーとジェシ、二人のエレクトリック・ギターが聴ける。これにはどんな御馳走もかなわない。その他にもジェシがバックを務める 曲が何曲かあるけれど、ここでのライとのかけあいは本当に見事なものだ。両者ともそれぞれが自分の方法論を確立していると言えるだろう。
B-2.やB-3.はアーロのオリジナルなのだが、これ等がまた良く出来ていて彼の素直な心情が汲み取れる。
kettle


david1

CUPID'S ARROW / DAVID BLUE (1976)
ASYLUM 7E-1077 (US)
A-1. Run, Run, Run
2. The Ballad of Jenniifer Lee
3. Tom's Song
4. I Feel Bad
5. Cordelia

B-1. Maria, Maria
2. Cupid's Arrow
3. Primeval Tune
4. She's Got You

PRODUCED BY BARRY GOLDBERG

プロデューサーであるバリー・ゴールドバーグが関わった作品はどれも強い印象を残すものが多いのですが、このアルバムにおいても楽曲の質がとても高く、 ジェ シをはじめダック・ダンやリヴォン等強者達の持ち味が十二分に発揮されたおおらかで素直、落ち着きのあるサウンドに仕上がっていてとても好感が持てます。 ギターはジェシとデヴィッド・リンドレーの二人、うまく分担してブルーのヴォーカルを引き立てています。ジェシの場合、(それほど派手ではないのですが) イントロの短いフレーズひとつで曲の印象を決定してしまうようなプレイが得意のようで、ここでもB-2.、B-4.では彼の特徴が遺憾なく発揮されていま す。またA-2でのに切れの良いスライドも聴きものでしょう。一方のリンドレーも大活躍で、ちょっと変わったリズムのB-1.ではカラフルな彼のプレイが楽 しめます。
cup


david

Midnight on the Water / David Bromberg Band (1975)
Columbia C 33397 (US)
A-1. (What A) Wonderful World
2. Yankee's Revenge: Medley
3. I Like to Sleep Late in the Morning
4. Nobody's

B-1. Don't Put That Thing on Me
2. Mr. Blue
3. Dark Hollow
4. If I Get Lucky
5. The Joke's on Me
6. Midnight on the Water


PRODUCERS :  BRIAN AHEN, BERNIE LEADON

ジェシの参加した作品には何故か名作が多いのですが、これも冒頭のドクター・ジョンのピアノとジェシのギターが絶妙の間合いのA-1.だけで持っ ていかれてしまいます。サム・クックの名曲をブルージーにアレンジしたものですが、コーラスで騒いでいるのはボニーレイットさんでしょうか。ほぼ同じ布陣 のB-1.も絶妙のアンサンブルを聴かせてくれます。
その他ブルースありカントリーありと一見バラバラな選曲のようですが、1曲1曲が丁寧に創られているのとデヴィッドのモコモコ声に誤魔化されて一気に聴い てしまえます。プロデューサーでもあるバーニーのギターも印象的。インストの2曲はブルーグラスかと思いきや、いずれもアイリッシュテイストのメドレー。 表題曲のワルツでは3人のフィドラーの奏でる厚みのあるメロディが物哀しくも美しい。
cup


tom

The Eyes Of Only Child / Tm Jans (1975)
Columbia PC 33699 (US)
A-1. Gotta Move
2. Once Before I Die
3. Where Did All My Good Friends Go?
4. Inside Of You
5. Struggle In Darkness

B-1. Out Of Hands
2. The Lonesome Way Back When
3. Lonely Brother
4. Directions And Connections
5. The Eyes Of Only Child
 
PRODUCED BY JOHN HAENY & TOM JANS

エグゼクティブ・プロデューサーとしてローウェル・ジョージの名前がありますが、音の方は多少カントリー寄りのジャクソン・ブラウン、といった感 じか。B-4.はフィートっぽい感じがありますけどはてさてここでのスライド・ギターは(アコギのクレジットしかない)ローウェル自身なのか、気になると ころです。やはりアコギのクレジットしかないジェシですが、B-3.のイントロ及び歌声と呼応するような素晴らしいリズムギターは間違いなく彼の音でしょ う。A-3.でのリズム&リフもカッコよい。
トム・ジャンスの歌は少し都会的なサウンドをバックにするとちょっと苦しい感じがあります。やはりジャクソン・ブラウン的な力強いA-1.やB-5.で真価が発揮されているようです。
cup


noother

No Other / Gene Clark (1974)
WSM 8122 73701-2 (2003 GER)
1. Life's Greatest Fool
2. Silver Raven
3. No Other
4. Strength Of Strings
5. From A Silver Phial
6. Some Misunderstanding
7. The True One
8. Lady Of The North

9. Train Leaves Here This Morning 10. Lifes Greatest Fool
11. Silver Raven 12. No Other
13. From A Silver Phial 14. Some Mistunderstanding
15. Lady Of The North 

PRODUCED BY THOMAS JEFFERSON KAYE

アサイラムから出た'74年のアルバムに別テイクなど7曲をプラスしたCD。ジーン・ク ラークの伸びやかな歌声とリー・スクラーの良く歌うベースラインが印象に残る、完成度の高い作品であります。比較的ロック色が強いサウンドで、オールマン と後期イーグルスが合体したような作品もありますね。
ジェシは1.、2.、5.の演奏にスライドで参加。その存在感は2.と、その別テイクでジェシのタメの効いたスライド抜きのの11.を効き比べれば一目瞭 然となります。Jerry Mcgeeのカントリー・ギターをジェシが引継ぐといきなりブルージーに雰囲気が一変する1.もすごいな。その他ニール・ヤングにそっくりの4.とかカン トリーロックな7.など、どれも曲の出来が良いので「ホワイトライト」のような緩いサウンドでも聴きたかったな、と思ってしまうのは贅沢と云うものでしょ うか。
cup

ALMOST FAMOUS

05TOP
HOME