EAST SIDE STORY


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SMALL FACES' GREATEST HITS (1977)
NEWS IML 2008 (UK)


60年代ロンドンはイースト・エンドのイケメン・モッズ、スモールフェイセスでベースを担当していたロニー・レイン、スティーブ・マリオットと共に多くの 作品を書いていたのでした。そういえば後にフェイセスで合流することになるロッド・スチュワートも生粋のロンドンっ子(ずっとスコットランド出身と勘違い していた)だそうで、この二人の音楽からは都会育ちならではのナイーブな叙情性みたいなものが感じ取れるのです。




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RE-COLLECTION OF SMALL FACES (1995)
IMMEDIATE TECW-20058 (JP)
1. HAPPY BOYS HAPPY 2. ROLLIN' OVER
3.  (TELL ME) HAVE YOU EVER SEEN ME 4. TIN SOLDIER
5. WHAM BAM THANK YOU MAM 6. RED BALLOON
7. CALL IT SOMETHING NICE 8. SONG OF A BAKER
9. AFTERGLOW OF YOUR LOVE 10. I FEEL MUCH BETTER
11. HERE COMES THE NICE 12. COLLIBOSHER
13. EDDIE'S DREAMING 14. LAZY SUNDAY
15. THE UNIVERSAL 16. ITCHYCHOO PARK
17. WIDE EYED GIRL ON THE WALL 18. TALK TO YOU
19. MY WAY OF GIVING 20. GET YOURSELF TOGETHER
21. GREEN CIRCLES 22. BECOME LIKE YOU
23. DONKEY RIDES,A PENNY A GLASS 24. SHOW ME THE WAY
25. THE PIGS TROTTERS 26. I'M ONLY DREAMING
27. THE AUTUMN STONE

アナログ時代のスモールフェイセスのレコードって訳の解らないレーベルから出されたダサいジャケットの編集物ばかり、という印象で、NEWSのベスト盤にしてもジャケットはかっこいいのだけれどイマイチ音質が悪くてナンだかなぁ、とずっと思っていました。
で、IMMEDIATE YEARS 1967 - 1969と題されたこの日本編集CD、60's的なサイケ・ポップ(フォーク)とハンブル・パイ的?なオルガン・ハード・ロック?が半々といった按配で時代の雰囲気が濃厚に反映されています。
ほとんどがマリオット=レインの共作、フェイザーらしき歪んだコーラスが楽しいサイケ・フォークの16.とかカッコイイ9.とかのシングル曲に耳が止まり ますが、そんな中ロニーの歌うカントリーな15.なんかはアコギにクラリネットなどが絡んで既にスリムチャンス的な音作りが顔をのぞかせているのが面白い ところ。やはりロニーの歌にハープシコードの音色が懐かしい24.も美しい。
ちなみに19.は後にフェイセスのメンバーで再演されることになります。14.で聴ける鐘の音はもしかしてイースト・エンドにあるセント・メリー・ボウ教会の鐘でしょうか(この鐘の音が聞こえる範囲で生まれ育った人々が「コックニー」と呼ばれているそうです)。
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gasoline

Gasoline Alley / IRod Stewart (1970)
VERTIGO 6360500 (UK)
A-1. Gasoline Alley
2. It's All Over Now
3. Only a Hobo
4. My Way of Giving
      
B-1. Country Comforts
2. Cut Across Shorty
3. Lady Day
4. Jo's Lament
5. I Don't Want to Discuss It

PRODUCED BY ROD STEWART & LOU REIZNER

ガソリンアレイとはロンドンにある地名だそうですが、この曲を初めて聴いたのはフェイセスの来日公演、じゃなくて、浅川マキさんの日本語ヴァージョン、だっ たかもしれません。ブルースと英国トラッドが合体したような不思議な魅力のある曲であります。Bobby WomackのA-2.やフェイセス屈指の快作A-4.等があるにせよ全体としてはフォークアルバム、マンドリンやフィドル、ロン・ウッドが大々活躍のギ ター全般の音色が英国っぽさを醸し出します。本人ヴァージョンよりも印象の強いエルトン・ジョンのB-1.からロッド自作の叙情的なB-3., B-4.あたりの流れ、あるいは表情豊かなディラン作品A-3.(アイリッシュなフィドル入り)等での各楽器の響きはロンドンに深い霧がたちこめるかのよ う。B-2.は先ごろ亡くなったMarijohn Wilkinというナッシュビルの女性ソングライターの作品だというのを最近知ったところです。
長い間国内盤で聴いていたアルバムでしたが、こちら、柔らかみのある音質の英国盤は、モノクロのジャケット共々もっと好きになりそうです。
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I'VE GOT MY OWN ALBUM TO DO / RON WOOD (1974)
WARNER BROS. K 56065 (UK)
A-1. I Can Feel the Fire
2. Far East Man
3. Mystifies Me
4. Take a Look at the Guy
5. Act Together
6. Am I Grooving You
      
B-1. Shirley
2. Cancel Everything
3. Sure the One You Need
4. If You Gotta Make a Fool of Somebody
5. Crotch Music

PRODUCED BY RON WOOD / GARY KELLGREN

友人の家で最初にこれをかけた時、冒頭曲で勢いよく弾けるリズムギターの後にミックの声が聞えてきた途端、全員思わず床にずり落ちてしまったものでした。この曲の邦題は「俺の炎」だそうで、こちらのロニーさんも徹頭徹尾「俺流」であります。
ストーンズ+フェイセス・ラインの豪華ゲスト陣にどうしても目を奪われがちですが、Andy NewmarkとWillie Weeksのリズムセクションは盤石、楽曲の出来も素晴らしいので、実はとても良くプロデュースされたアルバムなのです。
スウィート・ソウル風味のジョージ・ハリソンとの共作A-2.とかロッド風フォーク・タッチのA-3.なんか特に良いですね。キース作品でエレピも自ら担 当したA-4.なんて次回ストーンズ公演で聴きたいものであります。当然ながらギターが前面に出た小気味よい録音ですが、脇を固めるイアン・マクレガンの キーボードも素晴らしいです。
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NOW LOOK / RONNIE WOOD (1975)
WARNER BROS. P-1027W (JP)
A-1. I Got Lost When I Found You
2. Big Bayou
3. Breathe on Me
4. If You Don't Want My Love
5. I Can Say She's Allright

B-1. Caribbean Boogie
2. Now Look
3. Sweet Baby Mine 
4. I Can't Stand the Rain
5. It's Unholy
6. I Got a Feeling

PRODUCED BY : WOOD・WOMACK・MCLAGAN


そして現在のところ鼻の差でロン・ウッドの最高作と目されるのがこちらのセカンド。勿論肝は前作に引き続いて参加のリズム隊の二人、タイトというにはあま りに彫りの深いリズムは全編通じて圧巻の一言に尽きます(つい先日、クラプトンのツアー・メンバーとして来日したブンブン・ベースのW. W. 、不変のプレイスタイルに感服しました)。ギターも弾きまくり、ライブ感覚を失わない演奏なのですが、アンサンブルも実はちゃんとしていて、コーラス、 キーボード(イアン・マク レガン!)等のはまり具合も見事です。この辺壺を押さえた音作りはやはり共同プロデューサーの一人、ボビー・ウォーマックの力でしょうか。
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pete

Rough Mix  / PETE TOWNSHEND・RONNIE LANE (1977)
ATCO 7 90097-2 (US)
1. My Baby Gives It Away 
2. Nowhere To Run
3. Rough Mix
4. Annie
5. Keep Me Turning
6. Catmelody
7. Misunderstood
8. April Fool
9. Street In The City
10. Heart To Hang Onto
11. Till The Rivers All Run Dry

PRODUCED BY GLYN JONES

さて'60年代ロンドン、ウェスト・エンド代表のTHE WHO、そこのピートさんとタッグを組んで作ってしまったデュオ・アルバムの登場です。
10.では二人仲良く歌っていたりしますが、基本的に各人のソロ曲中心の構成、なのでロニーの曲も雰囲気はいつも通り。ただ演奏メンバーは豪華この上な く、チャーリー、イアン(ステュワート)のストーンズ組からクラプトン、ラビット、スリムチャンス組のギャラガー&ライルまでといった按配です。4.では ロニーとクラプトンが共作した優しいメロディが心に残る曲、サビの部分がいかにもクラプトン節であります。イアンのピアノが素晴らしい6.はニューオリン ズR&B、ロニーの曲のそこここにニューオリンズの影響は感じられたけれど、この曲がいちばんはっきりしているようです。ピートもまあいつも通り ですが、若干大人しい印象も。スッキリと聴きやすいアルバムに仕上がりました。
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Mahoney's Last Stand / Ron Wood & Ronnie Lane (1999)
GET BACK PILOT29LP / GET517 (ITALY)
A-1. Car Radio
2. Tonight's Number
3. From the Late to the Early
4. Chicken Wire
5. Chicken Wired
6. I'll Fly Away
7. Title One
8. Just for a Moment [Instrumental]
9. My Fault

B-1. 'Mona' the Blues
2. Hey Tumble
3. Woody's Thing
4. Rooster Funeral
5. Just for a Moment
6. Insurance
7. Safety Pin Queen
8. Anymore for Anymore
9. C&W Number


ロニーとロンが'72年に制作したサウンドトラック、こちらは曲目を追加した拡大版のレコードです。後のスリム・チャンスの面々やボビー・キーズ、ピー ト、そしてフェイセスも参加、オリジナル盤は確かグリン・ジョーンズのプロデュースだったような。サントラなのでインスト曲が多いのですが、ソウルやブ ルース、カントリーなど様々な音楽の要素が混在した音楽性で飽きることはありません。二人一緒にヴォーカルをとるマディ風ブルースB-1.やフィドルを交 えたガソリン・アレイ風のB-4.は完成度も高いですね。B-5.はスウィート・ソウルをフォーク風にアレンジしたような小品、曲名は来日公演のタイトル にもなっていました。追加された曲はフェイセス名義のアウトテイク、どっかで聴いたような曲が次々と・・・。
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