CAROLINA IN MY MIND


apple

James Taylor (1968)
APPLE AP-80317 (JP)
A-1. Don't Talk Now
2. Something's Wrong
3. Knocking 'Round the Zoo
4. Sunshine Sunshine
5. Taking It In
6. Something In the Way She Moves

B-1. Carolina In My Mind
2. Brighten Your Night With My Day
3. Night Owl
4. Rainy Day Man
4. Circle Round the Sun
5. The Blues Is Just a Bad Dream

Produced by Peter Asher

A面の1曲目、'Don't talk now'(もう話はいいよ)と始まって、2曲目、'Something's wrong that restress feeling's been preing on your mind'(不安な気持ちで何かうまくない)と続く歌詞を読むと、精神的に不安定な若者のヒリヒリとした痛みが伝わってくる。更に3曲目、 'Knocking 'Round the Zoo' (「精神病院」という何とも安直な邦題がついているが)では、'If I'm feeling edgy'、辞書を開かなくても語感で分かるような焦燥感を覚える言葉が並んでいる。このアルバムは若者なら誰でも一度は通過する若さゆえの苦悩、苛立ち を歌ったものが多い。音楽的には各曲ともヴァラエティに富んでいて、ストリングスあり、ホーン・セクションあり、またギター1本の弾き語りありで、後に出 るアルバムの多様性を内包している。デヴュー・アルバムとしてはあれもこれもと詰め込みすぎのような気もするが、僕自身にとっては同じ若者として当時のバ イブルのようなアルバムだ。
kettle


city

Now That Everything's Been Said / The City (1968)
ODE Z12 44012 (US)
A-1. Snow Queen
2. Wasn't Born to Follow
3. Now That Everything's Been Said
4. Paradise Alley
5. A Man Without a Dream
6. Victim of Circumstance

B-1. Why Are You Leaving

2. Lady
3. My Sweet Home
4. Don't Believe It
5. Hi-De-Ho (That Old Sweet Roll)
6. All My Time

Produced by  Lou Adler
CD : epic ESCA 7524 (1993 JP)

Daniel "Cooch" Kortchmar, Charles Larkey, Carole King、ドラムスにJimmy Gordonがクレジットされたコレ、安普請のモノクロ・ジャケットが怪しげで最初デモ録音の類いかと思ったものですが、キャロルさんが写っているのと、 A-2.やB-5.といった既知の曲が目に入ったので、とりあえず買っとけ、と言う事で入手。'68年作品という事を知ったのは随分後の事でした。
A-6.のコーラスがいかにもサイケ時代だったり、ブライアン・ウィルソンが好みそうなベース・ラインが印象的なB-1.など、ときどき60年代後半とい う時代背景が顔を出しますが、全体としては、このアルバムならではのマジカルなバンド・サウンドが心地よい。シンガー・ソングライター的なキャロルのピア ノが前面に出てるわけではなくて、 良い曲をシンプルにアレンジして丁寧に歌ったらこうなりました、みたいな気負いの無さは、JTの諸作品にも共通する部分があります。エコーの使い方とか全 体の音の感じが、何となくシュガーベイブのレコードを思い起こさせたりします。
cup


mama1

Jo Mama (1970)
Atlantic SD-8269 (US)
A-1. Machine Gun Kelly
2. Midnight Rider
3. Searching High, Searching Low
4. Lighten Up, Tighten Up
5. Venga  Venga
6. Sailing

B-1. Great Balls of Fire
2. The Sky is Falling
3. The Word is Goodbye
4. Check Out This Gorilla
5. Cotton Eyed Joe
6. Love'll Get You High

Produced by Peter Asher

これがJo Mamaのファースト、実は十数年の間、野ざらしに近い状態でほとんど聴かずに放っぽらかしてあったのですが、数年前のある日レコードの掃除がてらかけて みたと ころ、"Tighten Up"を思わせる導入部からジャズ・ロックへと展開するB-6.の演奏でビビッときたのでした(って、反応遅杉!)明るいコーラスが印象に残るA-6.に 代表されるような、The Cityの雰囲気を継承しつつもR&B、ラテン、ジャズの要素を織り交ぜながら、決して小器用にならない若々しいこのバンドの雰囲気は、いかにも 70年代の幕開けにふさわしい雰囲気を持っています。一方B-5.あたりでは軽めのThe Bandといった佇まいで音楽性の奥深さものぞかせます。モロラテンのA-5.で聴かれるティンパレスは、クーチさんの担当でしょうか、なかなかにカッ コイイ。
cup


kootch

KOOTCH / Danny Kortchmar (1973)
Warner Bros. WPCR-10539 (JP)
1. Put Your Dancing Shoes On
2. Up Jumped the Devil
3. Got to Say So Long
4. For Sentimental Reasons
5. Burnt Child
6. You're so Beautiful
7. My Mind Made Itself Up About You
8. Don't Jump Salty
9. Come Strollin' Now

Producer: Danny Kortchmar and  Robert Appere


クーチのファースト・ソロ。フィリー・サウンドを模倣した6.を聴いてトム・ベルより先にトッド・ラングレンを思い出してしまったのは、リズム・ セクションが本人の多重録音で、なんというかヲタクっぽい雰囲気のせいでしょうか。アルバム全体も、従来のファンキーな肉体感覚と、後の打ち込み時代を先 取りするよ うな感覚が微妙に同居している実験的作風、といえるかもしれません。 スライの「暴動」とかの影響にも思い当たります。曲調そのものはJo MamaのR&Bやラテンの要素がそのまま引継がれていて、2.や5.では得意のティンパレスも登場します。ベスト・トラックはリズム・ギターの コード・ワークが軽快なスタンダードの4.あたりかな。
70年代にはカットアウト・コーナーに常駐しているレコードでしたが、ずっと聴く機会が無くCDの時代まで持ち越してしまいました。でも相当な情報量があ るため、リアルタイムでこれを聴いたとしても果たしてついていけたかどうか。
cup



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