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HEART FULL OF SOUL

HOLLIES' GREATEST / HOLLIES (1968)
PARLOPHONE PCS 7057 (UK)

A-1.I Can't Let Go
2. Bus Stop
3. We're Through
4. Carrie Anne
5. Here I Go Again
6. King Midas In Reverse
7. Yes I Will

B-1. I'm Alive
2. Just One Look
3. Carousel
4. Stay
5. Look Through Any Window
6. Stop Stop Stop
7. Jennifer Eccles

Produced by RON RICHARDS

マンチェスター出身のグレアム・グールドマン、1960年代に先ずソングライターとして頭角を現したのはご存知の通り。彼のイメージをほぼ決定付けた感のある同郷ホリーズの二代名曲、切ないマイナー・メロディ、 'Bus stop, wet day, she's there I say Please share my umbrella'と歌い出されるリズミカルな歌詞、シャープな演奏と乾いたコーラスが絶妙に絡み合いながら盛り上がる'66年のヒット曲A-2.だけでもグールドマンの卓越したセンスが感じられますが、さらにマイナーとメジャーを縦横無尽に行き来しつつ広がりを感じさせる'65年のB-5.も凄過ぎる展開。
で、このアルバムはホリーズの'68年までのシングルを集めたリアルタイム・ベストのステレオ盤。これを編集する際にステレオ・ヴァージョンを新たに起こしたものも多いらしくて、'Look Through Any Window'は新たなコーラスが付け加わっていたりしてモノ・ミックスとは大分印象が違います。グールドマン作品に勝るとも劣らない名曲である'Yes I Will'に至っては、完全な別テイクから作成されたヴァージョン（サビから歌い出されてギター・ソロも違う）が採用されています（単純に間違えたという話も）。その他もちろん名曲満載、演奏力の高さを実感できる、一家に一枚的名演集であります。ジャケもカッコイイ！
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Over Under Sidways Down / Yardbirds
RAVEN RVCD-12 (1990 Australia)

1. Baby What's Wrong 2. I Wish You Would
3. Certain Girl 4. Good Morning Little Schoolgirl
5. Got Love If You Want It 6. I Ain't Got You
7. I'm Not Talking 8. Train Kept A Rollin'
9. I Ain't Done Wrong 10. For Your Love
11. Heart Full of Soul 12. Evil Hearted You
13. Still I'm Sad 14. I'm Still a Man
15. Shapes of Things 16. Over, Under, Sideways, Down
17. You're a Better Man Than I 18. Happenings Ten Years Time Ago
19. Nazz Are Blue 20. Rack My Mind
21. Psycho Daisies 22. Stroll On
23. Little Games 24. Puzzles
25. Drinking Muddy Water 26. Tinker, Tailor, Soldier, Sailor
27. Ten Little Indians 28. Think About It

グールドマンのペンになる'65年の"For Your Love"は、ヤードバーズ初のビッグ・ヒットであると共に、クラプトン脱退のきっかけになったともいわれる曲（そういえばハープシコードが目立っていてギターがあんまり聞こえない）ですが、元々はグールドマン自身のバンド、モッキンバーズのデビュー・シングルのための曲だったそうなんですね。レコード会社の意向で発表できなくなったらしいのですが、なかなかに曰く因縁の多い曲ではあります。続く同年のヒット11.と12.もグールドマンらしい作品ですが、ダークな曲調にジェフ・ベックによるひねくれ気味のギターが良くマッチしていて、グッと男っぽい感じに仕上がっています。ジャカジャ～ンと掻き鳴らす11.のリズムギターも良いな。
ヤードバーズのレコードというと、契約の関係からか有名曲がまとめて聴けるのってなかなか見当たらなかったのですが、このCDには先の３曲と共に、デヴィッド・ボウイもカヴァーした15.とか、トッドが完コピした11.、あるいは映画「欲望」に使用された22.（7.の改作）などがずらりと並んでいてとても重宝しています。
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THE GRAHAM GOULDMAN THING (1968)

edsel EDCD-346 (1992 France)

1. The impossible years
2. Bus stop
3. Behind the door
4. Pawnbroker
5. Who are they
6. My father
7. No milk today
8. Upstairs downstairs
9. For your love
10. Pamela Pamela
11. Chestnut

Produced by Graham Gouldman and Peter Noon

RCAから米国のみで発売されたらしいグールドマンのソロ・アルバム。このCDが出るまでその存在すら知りませんでした。
しかし何という素晴らしさでしょう。ちょっとGSを思わせるメロディに上品なストリングスが絡む冒頭から、ラストのインストまで、マイナー・メロディを主体にしつつも平板に流れず、かといって重くなり過ぎもしないポップ・センスは、ちょっと他に思いつかないほどです。室内楽風なストリングスやフルートを配したカラフルかつ上品なアレンジはもちろんJohn Paul Jones。エリナー・リグビー風に演奏される2.やリズムがよりヘヴィーに変更された9.など、ヒット曲のセルフ・カヴァーも楽しいですが、どの曲をとっても有名曲に引けを取らないクォリティを誇っているのは見事という他ありません。サビでピッコロらしき音が美しく覚えやすいメロディの8.なんか特に良いですね。"No milk today"（ハーマンズ・ハーミッツ）は歌詞の内容にも興味がそそられます。
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The Best of Wayne Fontana & The Mindbenders (1994)
fontana 314 522 666-2 (US)

1. GAME OF LOVE
2. STOP, LOOK AND LISTEN
3. UM, UM, UM, UM, UM, UM
4. SINCE YOU'VE BEEN GONE
5. WHERE HAVE YOU BEEN?
6. IT'S JUST A LITTLE BIT TOO LATE
7. REMIND MY BABY OF ME
8. SHE NEEDS LOVE
9. A GROOVY KIND OF LOVE
10. CAN'T LIVE WITH YOU, CAN'T LIVE WITHOUT YOU
11. ASHES TO ASHES
12. PAMELA,PAMELA
13. I WANT HER, SHE WANTS ME
14. OFF AND RUNNING
15. IT'S GETTING HARDER ALL THE TIME
16. WE'LL TALK ABOUT IT TOMORROW
17. FAR ACROSS TOWN
18. MY NEW DAY AND AGE
19. SCHOOLGIRL
20. UNCLE JOE, THE ICECREAM MAN

Compilation Produced by Bill Inglot & Andrew Sandoval

Eric Stewartが在籍、後期にはグールドマン自身もメンバーとして加わることになるマンチェスターのビート・バンド。いかにもマージー・ビート然とした初期や、トリオになってポップ度が増し9.等のドリーミーなヒット曲を手がける中期も捨て難い魅力がありますが、メンバー自身がソングライティングを手がけた最後の４曲がやはり英国的魅力あり。17.はキンクスあるいはジャムみたい。サイケな18.はエリック作品、ストリングス、コーラスで重厚に迫る19.と、John Paul Johnesがクレジットされた20.はグールドマン作品。いずれも曲作りの巧さが光ります。このあたりの楽曲はサージェント・ペパーズの影響をモロに受けている感じがしますね。'THE GRAHAM GOULDMAN THING'にも入っていた12.はウェイン・フォンタナのソロ作品、軽めでお洒落な佳曲となっています。
あと関係ないのですが、Mann-Weilのペンになる5.（アーサー・アレクサンダーがオリジナルでビートルズも演ってたらしい）は、「恋するカレン」の元歌ですよね。
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SIDE EFECTS／松尾清憲 (1985)
POLYDOR 28MX1205 (JP)

A-1. 愛しのロージー
2. ５月のSUICIDE
3. For Your Love
4. シャングリラ
5. サンセット・ドリーマー

B-1. エスケイプ・ドライブ
2. TEA FOR YOU
3. アスピリン・ノイローゼ
4. JULIET
5. 夢のブリッジズ

Produced by RYOUMEI SHIRAI

タイトルからしてそのものズバリなA-3.とか、A-4.ではイントロに'Behind the door'のメロディがこっそり挿入されたりと、ほんわかとグレアム・グールドマン的雰囲気を漂わせている松尾氏のファースト・アルバム。まぁこれも BOXなどを聴いた今だから分かる話で、当時はそんなことほとんど知らなくてテレビCMか何かで聴いたB-4.がグループサウンズっぽくて気に入ったのが購入動機でした。
いかにも80'sな押しの強いアレンジの曲が並ぶA面もなかなか捨て難いのですが、間奏が10cc風になるエレガントな小品B-2.、グールドマン的マイナーのB-3.、メロディの美しいB-4.（秋元康作の歌詞にもGSの曲名が登場する）等は今聴いても新鮮に映ります。「都市生活者の憂鬱」といったテーマで統一されている歌詞の世界にも注目で、A-5.なんかウットリしてしまいます。
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MADE IN HEAVEN／杉真理 (1991)
SONY SRCL 4250 (1998 JP)

1．未来世紀の恋人へ
2．青い楽園
3．Rosemary Street
4．Heaven In My Heart
5．君にギターを教えよう
6．You're my No.1
7．Surfside Drive
8．波の彼方Hawaii
9．渚の願い
10．Do You Feel Me
11．オペラ座の夜
12．I'm so sorry

Produced by Masamichi Sugi

BOXの音とかを聴いていると、杉真理氏はグールドマンとは逆サイドにいるような気がしていたのですが、意外にもこのアルバムの9.ではマイナーメロディに挑戦、ヤードバーズの'Heart Full of Soul'のイントロを流用して、グールドマンとGSサウンドの中間のような雰囲気の曲に仕上がっています。短い曲ですが、オルガンの間奏などアレンジも変化に富んでいて、特に松尾氏の低音のハーモニーが効いているサビのメロディが秀逸なのです。歌詞にもGS、英国のヒット曲両方の曲名が引用されているのですが、'Heart Full of Soul'の邦題「ハートせつなく」もしっかり入っていて笑いました。BOXのファンとしては、デイブ・クラーク・ファイブを思い出す10.、プロコル・ハルムあるいはELOのパロディみたいな11.、これぞBOXという12.と続く後半のブリティッシュ風味にいつもながら感心。その他トロピカル風、アメリカンポップス風と、前半には幕の内的にいろんなタイプの曲が並びますが、ロンバケ風なアレンジの2.のメロディなどは新鮮でした。
cup

5cc + 5cc

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