HAWAIIAN LOVE


chicken

Chicken Skin Music / Ry Cooder (1976)
REPRISE MS 2254 (US)
A-1. Bourgeois Blues
2. I Got Mine
3. Always Lift Him Up/Kanaka Wai Wai
4. He'll Have to Go

B-1. Smack Dab in the Middle
2. Stand By Me   
3. Yellow Roses   
4. Chloe   
5. Goodnight Irene


Produced by RY COODER


「黄色いバラ」の花言葉が「別れ、別離」であることを知ったのはつい二、三年前のこと。このアルバムに収められている'Yellow Roses'を対訳を見ながら聴いていると、何とまあ上手く出来ている曲だな、と再度思った次第だ。イントロが始まって、おや?これはインスト曲なのかな と思い始めて、ワン・コーラスまるまる演奏した後やっと歌詞に入るとこなぞは、憎いくらいに見事。この曲のユル〜イテンポは、別れの情景を歌った歌詞の内 容とは全く相反した心地よいリラックス感を与えてくれる。
ライのアルバムの中でも三本の指に入るほどの傑作がこのアルバム、キー・パーソンはフラコ・ヒメネスとギャビー・パヒヌイ、楽器はアコーディオンとス ティール・ギター。場所はメキシコとハワイ、テックス・メックスとハワイアン。70年代中期の空気をたっぷりと堪能できる、ユッタリした存在としてこれか らも語り継がれるだろう。
kettle


slackkey

Hawaiian Slack Key Vol.2 Guitar Instrumental
WAIKIKI RECORDS LP-320 (US)
A-1. Alekoki
2. Slack Key Medley: Nalani, Akahi Ho'i, Ho'i Mai
3. Tangi Tika
4. Tiare Tahiti
5. Hilo March
6. Ku'u Lei Poina 'Ole
7. Hula Blues
8. Ua Like No A Like

B-1. Slack Key Medley: Kona Kai 'Opua, Kilakila Haleakala, Hanohano Hanalei
2. Lei Aloha Makamae
3. Tahiti Nui
4. Pa'au'au Waltz
5. Medley: Moana Chimes, Kaulana Na Pua, Kuwili
6. Honolulu Eyes

Produced by TOMMY KEARNS


右隅に小さくギャビーの名前があるのと、レトロ、というか ハワイの絵葉書風なジャケットにつられて思わず買ってしまった1枚。ワイキキ・レコードというとってもベタな会 社名が胡散臭くもあったのですが、ターンテーブルに載せると天上界から響いてくるようなギターの音色にウットリ夢見心地になってしまいます。ステレオ録音 なので60年代の録音なのでしょうか、ワイキキ周辺のナイトクラブ・ミュージックだ、というような話もあります。まぁ詳細はわからないのですが、 Alvin "Barney" Isaacsというスティール・ギター奏者との双頭アルバム、といって良いかと思われます。ここでのギャビーは(珍しく?)エレキ・ギターを使用している のです が、とにかく二人のコンビネーションが素晴らしくて、交互にソロをとる曲などでもどこで交代したのかわからないほど自然な一体感が生まれています。波間に 揺られるようなゆったりした感じで音楽が進行して行きますが、A-7.の小粋なかっこよさやタイトル通りタヒチ風なB-3.あたりが程よいアクセントに なっているようです。ギャビーのコードワークの巧みさには舌を巻きますが、彼がスティール・ギターに持ち替えてのスティール・ギター・デュエットもまた楽 し。
cup


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The Gabby Pahinui Hawaiian Band, Vol. 1 (1975)
Panini (Warner Bros.) P-10582W (1977 JP)
A-1. Aloha Ka Manini
2. Ku'U Pua Lei Mokihana
3. Pu'Uanahulu
4. Moanl Ke'Ala   
5. Blue Hawaiian Moonlight

B-. Moonlight Lady
2. E Nihi Ka Hele
3. Hawaiian Love
4. Wahini U'L   
5. Oli Komo - Chant
6. Ipo Lei Manu


Produced by Panini

US-LP : Panini (Warner Bros.) BS 3023


ポール・サイモンのアルバム"Graceland"に対する非難が起きたのは、アフリカの伝統音楽が単なるダシにしか使われていなかった、というのが根底 にあ るのかな、と思う。それに対して、ライのやり方では、裏方に徹することで気に入った伝統音楽を表舞台に上げる、という作業をしているから問題も起きないの かな、と も思う。ギャビー・パヒヌイ・バンドの音楽においても、スラッキー・ギターという変則チューニングに興味を持ったライが、ギャビーを全面的に前に押し出し つつハワ イの伝統音楽をメジャーにしたところが、彼の功績だろう。沖縄音楽、キューバのブエナヴィスタ・ソシアル・クラブ、インド音楽等、次々と伝統音楽に食指 を動かしてきている探究心旺盛なライの歴史を見ていると、これからも新しい音楽との出会いが彼を待っているかもしれない、と思えてくる。
kettle


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The Gabby Pahinui Hawaiian Band, Vol. II (1977)
Panini (OMAGATOKI) PCD-1008 (1992 Hawaii)
1. Po Mahina
2. Waikiki Hula
3. Pua Tubarose
4. How'd Ya Do
5. Pu'uwa'awa'a
6. Makapu 'U Beach
7. Pua Kukui
8. Kilakila O Moanalua
9. No Ke Ano Ahiahi

Produced by STEVE SIEGFRIED, WITT SHINGLE, LAWRENCE BROWN


賑やかで楽し気な演奏が多いのがVOL.1だとすると、こちらはグッと落ち着いた雰囲気、儚くも美しいメロディを持つ曲が印象に残ります。特に「バラの 花」と邦題の付いた3.は上品 で深みを感じさせるラブ・ソングの逸品、ギャ ビーの12弦ギターにも言えることなのですが、ライの奏でるTiple(ティプレ)がどことなく厳かな感じを醸し出しているようでもあります。7.ではギ ター、8.ではマンドリンも弾いているライですが、ここでの主な担当はこのティプレ、非常に特徴的な硬質な音色で、演奏面でも前作以上に目立った働きをし ています。またこのアルバムには2.、8.、9.とギャビーの多重録音による演奏が3曲含まれていて、ギターだけでなくベースや多重コーラスまでを堪能で きます。
お洒落でかつカッコいい4.ではAttaのスラッキーとギャビーのスティール・ギターの競演、国内盤CD添付の山内さんの解説では「ハワイ音楽史に残る名 演奏」と記されていますが、正に納得の名品となっています。
cup

WORKING FOR THE YANKEE DOLLAR

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