SCHOOL DAYS


bleed

Let It Bleed / The Rolling Stones (1969)
abkco 8823032 (2002 EU)
1. Gimme Shelter
2. Love In Vain
3. Country Honk
4. Live With Me
5. Let It Bleed
6. Midnight Rambler
7. You Got The Silver
8. Monkey Man
9. You Can't Always Get What You Want

Produced by JIMMY MILLER
Chief Engineer : GLYN JOHNS

デヴュー当時から交流があったと言われるストーンズとグリン・ジョーンズ、エンジニアとしてのクレジットがあるのは、1965年のアルバム("Out of Our Heads"の米国盤あたり?)から。
'69年当時、国内盤の発売前、友人が何を血迷ったかUS盤を入手(確か国内盤より1000円くらい割高だった)、歌詞カードも愛想もない輸入盤を 初めて聴かせてもらったという懐かしの作品。で、一発で気に入って、とは当然ならなくて、というか、ストーンズの曲はなんかゴチャゴチャとしていて全部 同じに聴こえていた当時の極東の中学生には、馬の耳に念仏、という言葉が正にぴったりの状況ではありました。まぁいずれにしろグリン・ ジョーンズの仕事に接してからはや40年という月日が流れた訳で、リニューアルされた本SACD盤で聴くと、意外なほどスッキリと整った音作りに、やはり 基本だな、という印象を強く持ちます。アコースティック楽器の粒立ちの良さとか、アタックの強いドラミングはジョーンズの仕事ならでは。コテコテの南部と いうよ りは、非常に落ち着いた上品さが漂います。名作中の名作2.でのスライドの太い低音と高音の伸びは素晴らしい。ヴォーカルがOFF気味でレイド・バックし た3.のストリート・バンド風演出もいっそう立体的に聴こえてきます。
cup


who

Who's next / The Who (1971)
MCA MCAD-11269 (1995 US)
1. Baba O'Riley 2. Bargain
3. Love Ain't for Keeping 4. My Wife
5. Song is Over 6. Getting in Tune
7. Going Mobile 8. Behind Blue Eyes
9. Won't Get Fooled Again

10. Pure and Easy 11. Baby Don't You Do It
12. Naked Eye 13. Water
14. Too Much of Anything 15. I Don't Even Know Myself
16. Behind Blue Eyes

Produced by The WHO, KIT LAMBERT (10.11.16)
Associate Producer : GLYN JOHNS
Reissue Produced by JOHN ASTLEY

プログレほど小難しくはないものの、適度にドラマティック、意外に美メロで憶え易い曲調と、頑張れば何とかなりそうなギター・ワークなど、当時の高校生に は正にうってつけの一枚でしたね。学園祭の後片付けの時に誰かが大音量で鳴らしていたのが今でも印象に残っています。また、9.の歌詞の最後のヴァースを 聴くと、アニマル・ファーム(石森章太郎が漫画化したヴァージョン)を思い出したりもします。
ピートの壮大な構想が頓挫した後、グリン・ジョーンズの提案もあって通常のアルバムとして再構成されたと随分後に知りましたが、こちらのCDは関連曲をま とめて全体にリミックスを施した拡大版、締まりがあり クッキリとクリアな音に仕上がっているようです。特に空気の揺れをも感じさせるような密度の高いドラムスの音色と、しなやかなベース・ラインには改めて驚 きました。ハード・ロックのイメージの強いアルバムですが、3.や7.などはアコギ主体だったり、1.のヴァイオリンがトラッドを思わせたりと、当時周辺 でどんなことが起こっていたのかを再認識できる作りにもなっています。追加曲では'Song is Over'にも一節が挿入されている10.のメロディが特に印象に残る。
cup


letitbe

Let It Be... Naked / The Beatles (2003)
Apple (Capitol) CDP 7243 5 95713 2 4 (US)
1. Get Back
2. Dig A Pony
3. For You Blue
4. The Long And Winding Road
5. Two Of Us
6. I've Got A Feeling
7. One After 909
8. Don't Let Me Down
9. I Me Mine
10. Across The Universe
11. Let It Be

Produced by THE BEATLES and GEORGE MARTIN
Engineered by
GLYN JOHNS
NAKED Mixed and Produced by PAUL HICKS, GUY MASSEY and ALLAN ROUSE

豪華写真集付きで異常に高額、高嶺の花、内容においても中途半端に終わってしまう曲とかが入っていたため、リアルタイムでは、すこぶる印象の悪いアルバム ではありました。録音担当がグリン・ジョーンズだった、というのも最近まで全く知りませんでした。さて「ネイキッド」と銘打たれたCD、実際にはテープを 相当いじくり回して制作されたようですが、ヴォーカルにライブ感覚が戻った印象で、聴き心地がだいぶ改善されました。特に5.〜7.でのジョン・ポールの デュオ曲の流れは不調に終わったといわれるセッションの曲とは思えない演奏です。特に6.でのポールのシャウトとジョンの割り込みヴォーカルヘヴィー/ラ フなリズムは最高。屋上での録音が採用された8.の演奏にも臨場感があります。逆に普通になりすぎてワケ分かんない感じが減退してしまったのが10.。 コーラスの秀逸な鳥の羽ばたきヴァージョンには及びません。リハーサルみたいな4.は、当時の深夜放送でよく聴いたストリングスの哀愁感が記憶に深 く刻み込まれているので、やはりここはスペクター・ヴァージョンに一票、です。
cup


rising

Rising For The Moon / Fairport Convention (1975)
ISLAND ILPS 9313 (UK)
A-1. Rising For The Moon
2. Restless
3. White Dress
4. Let It Go
5. Stranger To Himself
6. What Is True ?

B-1. Iron Lion
2. Dawn
3. After Halloween
4. Night-Time Girl
5. One More Chance

Produced and Engineered by Glyn Johns

トカゲの尻尾のように出入りの激しいこのバンド、サンディ・デニーが舞い戻ってまた次のアルバムから居なくなる。このアルバムはフェアポート名義で出ては いるが、独壇場とも言えるほどにサンディ作の曲が光り輝いている。A-1、A-6、B-3、B-5など彼女の作詞作曲能力は素晴らしいものがある。特に 'After Hallowween'は私のお気に入りだが、ボックス・セットなどにもほとんど選ばれているので、英米人も好きなのかな。A-3.はDave Swarbrickの作品だが、歌唱はサンディでこちらも秀逸。
イーグルスのファーストなどと同じロンドンのOlympic Sound Studioでの録音、プロデューサー、グリン・ジョーンズの幅広い活躍が良く分かるアルバムだ。ちなみに、私の持っているこのLP、レーベルはアイラン ドなのだが、何処の国の盤だか分からない (ISLAND ORL19313)。
kettle

fright90

Stage Fright / THE BAND
Capitol CDP 7 93593 2 (1990 US)
1. Strawberry Wine
2. Sleeping
3. Time to Kill
4. Just Another Whistle Stop
5. All la Glory
6. Shape I'm In
7. W.S. Walcott Medicine Show
8. Daniel and the Sacred Harp
9. Stage Fright
10. Rumor

Digitally Remastered LARRY WALSH

初めて買ったザ・バンドのアルバム、「ステージ・フライト」のアナログ盤にはミック ス・ダウン担当としてグリン・ジョーンズのクレジットがありますが、実 際には5.、6.、10.以外の楽曲では(録音担当でもある)トッド・ラングレンのミックスが採用されていました。2000年のリマスターCDはアナログ 盤の復 刻でしたが、こちらの'90年盤では、4.を除いた9曲でグリン・ジョーンズのミックスが採用されているらしく、1.〜3.、7.〜9.の6曲がこのCD で初めて紹介されたもののようです。どういう経緯でこうなったかはわかりませんが、今となっては「ステージ・フライト」を2度楽しめるということで、とて も喜ばしいことではあります。
通して聴いてみると、全体に上品な柔らかさが感じられ、同じ考えの元に作業していることがよく分かるのですが、1曲だけ残っているトッド・ミックス4.の やや人工的なエフェクト処理とアタックの強さも逆に印象に残ったりします。エンディングの違う7.なんかは、ホーンの音色が素晴らしく、こっちの方が好き かも。3.などは固い感じのトッド・ミックスに一票かな。まぁ、名作はどういじっても名作に変わりありませんが。
cup

13TOP
HOME