RAISE YOUR HAND


eddie1

KNOCK ON WOOD / EDDIE FLOYD (1967)
ATLANTIC P-8616A (1982 JP)
A-1. Knock on Wood
2. Something You Got
3. But It's Alright
4. I Stand Accused
5. If You Gotta Make a Fool of Somebody
6. I Don't Want to Cry

B-1. Raise Your Hand
2. Got to Make a Comeback
3. 634-5789
4. I've Just Been Feeling Bad
5. High-Heel Sneakers
6. Warm and Tender Love



スタックスの数ある名作の中でも、屈指の充実度を誇るエディ・フロイド1967年の作品、ヴォーカル・スタイルは比較的クセのない感じですが、アル・ジャ クソンの叩き出すタメの効いたリズムと、モッタリしたダック・ダンのベースラインを要とする演奏陣の絶妙のコンビネーションは、冒頭の2曲を聴いただけで 大 向こうを唸らせるものがあります。A-1.は大ヒット曲、リアルタイムで聴いた覚えはないのですが、いつの間にか耳に馴染んでいたのでしょう。A-2.は ニュー オリンズのハネるリズムとメンフィスのルースな雰囲気が奇跡的に合体した名演。 彼はまたソングライターとしても活躍していますが、オルガンとピアノ主体の演奏でセルフ・カヴァーされたB-3.は、ウィルソン・ピケットのオリジナルを 軽く凌駕しています。 B-1.は、Jガイルスやボスのライブでもお馴染み、リフレインを思わず口づさんでいるうちに号泣モード突入必至のB-4.も名曲。
cup


bell

SOUL OF A BELL / WILLAM BELL (1967)
ATLANTIC P-11444 (1984 JP)
A-1. Everybody Loves A Winner
2. You Don't Miss Your Water
3. Do Right Woman, Do Right Man
4. I've Been Loving You Too Long (To Stop Now)
5. Nothing Takes The Place Of You
6. Then You Can Tell Me Goodbye

B-1. Eloise (Hang On In There)
2. Any Other Way
3. It's Happening All Over
4. Never Like This Before
5. You're Such A Sweet Thang



リンダ・ロンシュタットやデラニー&ボニーが歌っていたA-1.や、グラム・パーソンズ在籍時のバーズで知られるA-2.など、ソングライターとしても優 秀なウイリアム・ベルのファースト・アルバム。律儀で丁寧なヴォーカル・スタイルのせいか、A面のスロー・サイドはピアノとオルガン主体のアレンジに時折 ストリングスが加わる大人のソウル・ミュージックで、通常のスタックス・サウンドとはひと味違うスタイル、カントリーの仄かな香りも漂っています。特に オーティスのカヴァーA-4.では、二人の持ち味の違いが際立っているようです。B面のファスト・サイドでは一転、切れのあるMG'sサウンドに乗った瑞 々しい歌声が楽しめますが、B-1.みたいなジャンプ・ナンバーでもスタイルはあくまで律儀。ミディアム・テンポのR&B、B-2.あたりは傑作 でしょう。アイザック・ヘイズが絡むB-3.やB-4.での新機軸路線もはまっていますが、B-4.は完全にサム&デイブの雰囲気ですね。ちなみにA- 2.とB-2.はスタックス初期に出されたシングル曲の再録音だそうです。
cup


levon

Levon Helm (1978)
ABC YX-8151-AB (JP)
A-1. Ain't No Way to Forget You
2. Driving at Night
3. Play Something Sweet (Brickyard Blues)
4. Sweet Johanna
5. I Came Here to Party

B-1. Take Me to the River
2. Standing on a Mountaintop
3. Let's Do It in Slow Motion
4. Audience for My Pain

PRODUCED BY DONALD "DUCK" DUNN

USLP : ABC AA-1089



ハリウッドとマッスルショールズで録音されたこのアルバムは、ドナルド・ダック・ダンのプロデュースで、バック・ミュージシャンにはスティーブ・クロッ パー、バリー・ベケット、ロジャー・ホーキンス、デヴィッド・フッド等名うての面々が揃っている。ザ・バンド関係の作品に関してはいろいろな人が書いてい るので、私が今更言うべき事は少ないかもしれない。ひとつ挙げるとするならば、アラン・トゥーサン作の'Play Something Sweet'、ザ・バンドの'W. S. Walcott Medicine Show'に感じがよく似ているな、と言う事だ。いろんなカヴァー・ヴァージョンがあるので耳なじみの曲ではあるのだが、リヴォン・ヘルムもやっぱりザ・ バンドの影を引きずっているような気がする。ま、グループでもソロでも根底にあるのは、米国南部の土を踏みしめて、ルーツ・ミュージックを追求する変わら ぬ姿勢なのだが。
kettle


cate

In One Eye and Out the Other / Cate Brothers (1976)
ASYLUM K53049 (UK)
A-1. Start All Over Again
2. In One Eye and out the Other
3. Can't Stop
4. Stuck in Chicago
5. Travelin' Man

B-1. Give It All to You
2. Music Making Machine
3. Let's Just Let It Be
4. I Don't Want Nobody (Standing Over Me)
5. Where Can We Go

PRODUCED BY STEVE CROPPER


'70年代のブルー・アイド・ソウルとして先ず思い浮かぶのが、こちらの兄弟デュオ、確かリヴォン・ヘルムの従兄弟か何かで、一緒に来日もしていました。 自 然に溢れ出るふくよかな南部的グルーヴとスティーブ・クロッパー仕切りの締まったリズムが混ざり合って、何ともいえない心地よさが醸し出されているアルバ ムでした。いかにもスタックス直系という雰囲気はA-5.のホーンの使い方、A-3.はアル・グリーン辺りのハイ・サウンドの風情でしょうか、この曲は最 後の ギター・ソロもいい感じに流れていきますが、特にクロッパーらしいカッティングが曲の魅力をいっそう引き立てています。上記A-3.やフィドルが美しいB - 2.、リズムのタメが心地よいA-1.やA-4.などバラードあり、ファンクありと自作のソングライティングも多彩、兄弟にしても顔が似すぎているの で、どちらがどちらか分からないのが、唯一の欠点かな。
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jesse

Talk Memphis / Jesse Winchester (1981)
BEARSVILLE BRK 6989 (US)
A-1. Say What
2. Baby Blue
3. Leslie
4. Hoot and Holler
5. If Only

B-1. Sure Enough
2. I Love You No End
3. Let Go
4. Reckon on Me
5. Talk Memphis

PRODUCED BY WILLIE MITCHELL

これはまたさりげない趣味の良さがじわりと染み出す大傑作、'81年発表のジェシ・ウインチェスターのアルバムは、どの曲も暖かい歌声と伴奏陣の息がピタ リ と合っています。ベアズヴィルと契約したウィリー・ミッチェル制作によるハイ・スタジオ録音盤。ピタリとはまった職人技がどの曲にも感じられますが、例え ばB-3.やB-4.は重心の低いハイ・サウンドを基調にしつつ南部的な甘さ、まろみを加えた作風、唯一のカヴァーA-2.(The Echoes、'61年のスマッシュ・ヒットだそうです)も同傾向ですが、控えめな黒っぽさがとても心地よく感じられます。B-1.あたりのファンキーな 曲も押し付けがましい感じがなくて聴き易いですが、ちょっとディランの"Slow Train Coming"を思わせる作風です。A-4.は「ミステリー・トレイン」風な小粋なメンフィス・サウンドでしょうか。A-5.やB-2.のスローな曲調で も重心の低いリズムは健在で、凡百のAORとは一線を画す仕上がりです。
cup

I CAN'T TURN YOU LOOSE
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