BE MY BABY


spector

YESTERDAY'S HITS - TODAY
Phil Spector International 2307 007 (UK)
A-1. Baby I Love You
2. Uptown
3. (Today I Met) The Boy I'm Gonna Marry
4. Why Do Lovers Break Each Others Hearts
5. I Can Hear Music
6. Puddin' N' Tain
7. Is This What I Get for Loving You

B-1. Then He Kissed Me
2. (The Best Part of) Breakin' Up
3. All Grown Up
4. Fine, Fine Boy
5. Little Boy
6. Born to Be Together
7. Wait Til My Bobby Gets Home

1940年、ニューヨークのブルックリンに生まれたエリー・グリニッチ、同郷でブリル・ビルディングの同僚でもあるキャロル・キングよりは、ほんの少し年 上と いうことになります。彼女はは60年代前半、ジェフ・バリーとチームを組んでスペクター・サウンドの中核をなす名曲を次々に発表していくわけですが、ここ に挙げた編集アルバム(シリーズ物の第4巻)には、超有名曲が抜けているにもかかわらずエリーさん絡みの楽曲が9曲もあって、フィレスにおけるナンバーワ ン・ソングライター・チームとしての地位を証明しているようでもあります。グリニッチ/バリーの曲はとにかく憶え易いので、飽きるのも早いかな、などと一 瞬思ったりもする訳ですが、ジャック・ニッチェの流麗なアレンジとフィル・スペ クターによ るコテコテのオーバー・プロデュースにくるまれると、永遠の輝きを放つ奥深さがどの曲にも感じられます。 今回改めて印象に残ったのは、 ピアノのイントロにコーラスが絡んできた途端、胸がキュンとなるダーレン・ラブのB-7.、これはエリーさんが後に爽やかにセルフ・カヴァーしていまし た。あとブルース・スプリングスティーンにモロに影響を与えたようなクリスタルズのB-5.(歌い方まで真似しているんじゃない?)も強烈でした。一方マ リアンヌ・フェイスフルの秀逸なカヴァーも思い出される後期ロネッツのA-7.はゴフィン/キング作品、シングルのB面とは思えない完成度の高さです。
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drifters

The Drifters' Golden Hits (1968)
ATLANTIC P-4579A (1979 JP)
A-1. There Goes My Baby
2. (If You Cry) True Love, True Love
3. Dance with Me
4. This Magic Moment
5. Save the Last Dance for Me
6. I Count the Tears
7. Some Kind of Wonderful

B-1. Please Stay
2. Sweets for My Sweet
3. Up on the Roof
4. On Broadway
5. Under the Boardwalk
6. I've Got Sand in My Shoes
7. Saturday Night at the Movies

PRODUCED BY
JERRY LEIBER & MIKE STOLLER, BERT BERNS


こちらはベン・E・キング時代から1964年にかけてのドリフターズのヒット集、アメリカ盤に2曲が追加された廉価盤です。 マリアッチ風なギター、ストリングスが聴こえるA-5.とか、ギロのリズムが印象深いB-5.あたりを筆頭に、この時期のドリフターズのサウンドはスパ ニッシュ/ラテンなムードが濃厚で独特の甘さを湛えた艶のようなものが強く感じられます。特にベン・E・キング時代のA-3.やA-4.(Jay & The Americansのカヴァーも懐かしい)での気品のあるストリングス・アレンジは秀逸でしょう。ゴフィン/キング作品の2曲はいずれもベンEキングが独 立してからの録音、テンポが速く都会的、軽やかな印象となっています。やはりストリングス・アレンジが印象的なA-6.はキャロル・キングの「ミュージッ ク」にも収録、「ライター」でのセルフ・カヴァーも素晴らしいB-3.はマリンバがちょっとコミカルな感じを出しています。 B-4.とB-7.はマン/ウェイルのペンになる作品、フィル・スペクターはリーバー/ストーラーの元で仕事をしていたそうですが、そういえばA-3.や A-4.あたりのアレンジはクリスタルズの「アップタウン」にちょっと似ていますね。
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goinback

Goin' Back : The Songs of Goffin & King (2000)
SEQUEL NEMCD 376 (UK)
1. Stage Door 2. Goin' Back
3. Is This What I Get for Loving You? 4. He's in Town
5. Up on the Roof 6. At the Club
7. Wasn't It You? 8. Sometime in the Morning
9. He Knows I Love Him Too Much 10. When My Little Girl Is Smiling
11. Heaven Is Being with You 12. Will You Love Me Tomorrow
13. Halfway to Paradise 14. So This Is How It Feels
15. You're My Girl 16. Go Away Little Girl
17. So Goes Love 18. My Golden Chance
19. Who Put the Bomp (In the Bomp, Bomp, Bomp) 20. Some Kind of Wonderful
21. Just Another Fool 22. So Did I
23. Man Without a Dream 24. Beautiful
25. So Much Love 26. I Want to Stay Here
27. It Might as Well Rain Until September 28. I Need You
29. What You Got 30. You're Just What I Was Looking for Today


英国のシンガー、グループによる録音を集めたゴフィン/キング作品集、ジャケットがお洒落なので中身もわからずに買ってしまいましたよ。30曲も収録され ていますがその半分くらいがここで初めて耳にする曲、しかも大半が名前も知 らない(読めない^^)シンガー、名前だけはどこかで聞いたことのあるグループがクレジットされています。ビーチボーイズ、マージービート、ブルーアイ ド・ソウルなどの影響を受けた曲調もさまざまで、多くがなかなか魅力的。8.などはビーチボーイズとい うより「ペット・サウンズ」風な美しい曲調、4.や15.もコーラス主体の曲ですが、どこかにのどかな風情が漂っているのは英国ならでは、でしょうか。 14. なんかはマージービートの特徴をうまく再現していて、言われなければ英国の作家による曲だと思ってしまうほどです。数曲が収録されているロッキン・ベリー ズの 28.は軽めのライチャス・ブラザースといった雰囲気、アンドルー・オールダムが得意そうな英国ソウルの25.なんかも良作です。有名曲 のカヴァーも充実していて、ロネッツの3.はここでは男声ヴォーカル。昔ニック・ロウのヴァージョンを聴い てコリャ天才だ、と思ったら、 実はゴフィン/キングのカヴァーでした^^の13.はいかにも英国人好みですね。ジャッキー・デシャノンのバリバリヤンキー娘の弾け方に比べると大人しく 上品な11.など、英米 の資質の違いも面白く聴こえてきます。
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15

15 Big Ones / The Beach Boys (1976)
BROTHER (REPRISE) MS 2251 (US)
A-1. Rock and Roll Music
2. It's OK
3. Had to Phone Ya
4. Chapel of Love
5. Everyone's in Love with You
6. Talk to Me
7. That Same Song
8. TM Song

B-1. Palisades Park
2. Susie Cincinnati
3. A Casual Look
4. Blueberry Hill
5. Back Home
6. In the Still of the Night
7. Just Once in My Life

PRODUCED BY BRIAN WILSON

ブライアン久々の全面プロデュースで、魅惑のステレオ・サウンドがガッツリ楽しめる'76年作品、当時FENでは一日に何度となくA-1.が流れていたの が懐かしく思い出されます(編集アルバム"Ten Years of Harmony"のオーストリア盤CDではこの曲のシングル・ヴァージョンも聴けますね)。B-7.はゴフィン/キング作品のカヴァーですが、ヴォーカル はブライアンとカールのウィルソン・ブラザース、サビ前でブライ アンの渋い歌声が登場するところは、何度聴いてもウルッとなります。この曲、重々しい作りになっているためか、ずっとバリー・マンの曲と勘違いしてまし た。 スペクター/バリー/グリニッチのA-4.は楽しげなバッキング・ヴォーカルに囲まれてブライアンがリード・ヴォーカル、ビーチボーイズによるエリーさん のカヴァーは多分これで3曲目、ライブでは'Be My Baby'も演っていましたし、ブライアンも相当お気に入りのソングライターのようです。このアルバムは他にもハル・ブレイン中心のリズム隊が活躍するB -4. やデニスの哀愁ヴォーカルが聴けるB-6.など有名曲のカヴァーが多く、至高の傑作となった次作"Love You"の前哨戦といった趣、ブライアンのオリジナルは少なめで、アレンジやサウンド作りにフォーカスした 作品となっています。そういえば一番最初に気に入ったのはブライアン色のもっとも薄いA-5.だったのを思い出しましたが、タイトルから察するにブライア ンへのトリビュートなのかな。
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