BETTER DAYS


kaz

CUL-DE-SAC / ERIC KAZ (1974)
Atlantic SD7290 (US)
A-1. Looking For A Sign
2. I Can't Live Without You
3. There Is No End
4. Shadow Of Night
5. Deliver Me

B-1. My Love Will Never Die
2. Good As It Can Be
3. I'm Going Down Slow
4. I'll Find The Way
5. Come With Me

Produced by MICHAEL CUSCUNA


ウッドストックゆかりの音楽家というと何故か真っ先に思い浮かぶのがエリック・カズ、アルバムでいうとこのセカンド・アルバムの印象がとても強い。LA録 音なの にヴォーカルも音の感じもモッタリとした印象、スローな曲調が多いこともあって、最初はなんかハッキリしねぇな、みたいに思ったりもするのですが、聴き込 むにつれて魅力的なメロディと個性的な音の絡み具合に気付き、いつの間にかヘヴィー・ローテーションのアルバムに。冬の日溜まりの中で聴いたりすると心和 みます。スティーヴィー・ワンダーの名作アルバムに大きく貢献した二人、ボブさんとマルコムさんが本作でもエンジニアリング他で活躍していることを最近に なって知りましたがスティーヴィー風というようなことは全くなくて、ゴスペルというか賛美歌みたいでユル〜いムードが全体を支配しています。時々表れるリ ズムものも 気 が利いていて、A-3.はニューオリンズ風味にスライド(ポール・バレルかな)が絡む、B-3.も同様でこちらはザ・バンド風な歌。メロディとシンセをあ しらったアレンジが良いB-1.やリズミカルなB-5.はややポップ寄りでしょうか。いやぁ当時はお世話になりました。
cup


bonnie

  Takin My Time / Bonnie Raitt (1973)
Warner Bros. BS 2729 (US)
A-1. You've Been In Love Too Long
2. I Gave My Love A Candle
3. Let Me In
4. Everybody's Cryin' Mercy
5. Cry Like A Rainstorm

B-1. Wah She Go Do
2. I Feel The Same
3. I Thought I Was A Child
4. Write Me A Few Of Your Lines/Kokomo Blues
5. Guilty

Produced by JOHN HALL

ウッドストック録音盤のアイドル風ジャケットもなかなか可愛いですが、渋い色調で決めたこちら第3作のジャケに収まる格好良いお姉様もまたナイスです ねぇ。ジョン・ホール制作、ハリウッドで の録音ということですが、エリック・カズをはじめジョエル・ゾズ、クリス・スミザーといった人々の作品を採り上げていることもあり、ウッドストッ ク、というか東海岸の硬派な気質も色濃く 感じられます。それにしてもジム・ケルトナーやリトル・フィートの面々、演奏陣の素晴らしさには目を見張るものがあり、西海岸製レコードの中でも最上級の ファンキーな 演奏が次から次へと展開されます。出張録音という適度な緊張感の成果でしょうか、マーサ&ヴァンデラスのモータウン・ヒットをよりディープに仕上げた冒頭 曲から魅力全開のヴォーカルです。余裕すら感じさせるエリック・カズの名曲A-5.、シンプルで渋いアレンジのジャクソン・ブラウン作品のB-3.など、 い つもながらツボを押さえた選曲の妙も楽しいですが、ヴァン・ダイク・パークスも参加して「ディスカヴァー・アメリカ」番外編といった趣もあるカリプソ・ナ ンバーB-1.は ちょっと変わり種、思いっきりルースなホーン・セクションとオルガン・ソロは暑い夏の昼下がりにぴったり。B-4.等ではもちろんお姉様のギターも十二分 に堪能できます。
cup


woodstock

 WOODSTOXK MOUNTAINS / MORE MUSIC FROM MUD ACRES (1977) 
ROUNDER 3018 (US)
A-1. Bluegrass Boy
2. Cold Front
3. Sleep With One Eye Open
4. Killing The Blues
5. Waiting For A Train
6. Morning Blues
7. Weary Blues

B-1. Mason Dixon’s On The Line
2. My Love Is But A Lassie Yet
3. Woodstock Mountains
4. Long Journey
5. Sally Ann
6. Barbed Wire
7. Whole World Round
8. Amazing Grace

Produced by GEORGE JAMES with ARTIE TRAUM and HAPPY TRAUM

この前ディスク・ユニオンに行ったら、中古CDのビートルズの棚の前で小学校5、6年生と思しき男の子が、ためつすがめつ、あれこれとCDを手にとり選ん でいる姿を目にした。最初は親か年上の兄弟に連れてこられたのだろうが、この年齢でディスク・ユニオンの中古コーナーを知っていることが先ず驚き、しかも ビートルズとは!この子にとっては目の前に宝の山があるようなものだろう。どんなアルバムを買うのかという興味もあったのだが、ジロジロ見るのもどうかと 思いそこを離れた。この少年のように、子供の頃から馴れ親しんだ音楽をもう一度見直そうという趣旨で始まったマッド・エイカーズ2枚めのアルバムは、約 20人のミュージシャンがウッドストックの山の中、ベアズヴィル・スタジオに集まり、自分たちの好きな歌を思う存分演奏している。このアルバムに収められ た歌は、どれもこれも素朴でアコースティックな響きを持っていて、いわば原点回帰のアルバムとして今後も残っていくのだろう。
kettle


better

It All Comes Back / Paul Butterfield's Better Days (1974)
  BEARSVILLE K 45517 (UK)
A-1. Too Many Drivers
2. It's Getting Harder To Survive
3. If You Live
4. Win Or Lose
5. Small Town Talk

B-1. Take Your Pleasure Where You Find It
2. Poor Boy
3. Louisiana Flood
4. It All Comes Back

Produced by GEOFF MULDAUR, PAUL BUTTERFIELD. NICK JAMESON

ポール・バターフィールド、ジェフ・マルダー、エイモス・ギャレット、ロニー・バロン、メンバーの名前を並べるだけでもコクのある渋い音楽が聴こえてきそ うですが、こちらのセカンド・アルバム、ブルース・バンド時代の発展型ともいえるような前作よりかは幾分土臭く、レイドバックしたアンサンブルが楽しめる 内 容となっていて、曲調の幅も広がった印象、よりウッドストック的な音とも言えるのでベターデイズといえばコレ、という人も多いでしょう。さらにボビー・ チャールスがソングライターとしてだけでなくパフォーマーとしても参加、ゲスト以上の存在感を発揮しています。B-1.はボビーとポールの共作、ベースの 唸る迫力のスワンプ・ロックでボビーもヴォーカルでも大きく貢献しています。B-4.もボビーの作品、ジェフとポールが歌っていますが、変形ザ・バンド的 な引っかかるようなリズムがタ イトでもありユルくもある、といった感じでインパクトあり。ウッドクトック、というかある意味時代を象徴するようなA-5.ですが、ここでの艶々ヴォーカ ルはジェフ、星屑ギター、オルガン、ハープが絡んで の夢見心地のサウンドを奏でます。A-1., A-3., B-2.などはブルース的な演奏ですが、良く練られたアレンジでどれもが知的な雰囲気を醸し出しています。
cup

muddy

The Muddy Waters Woodstock Album (1975)
  CHESS CH 60035 (US)
A-1. Why Are People Like That
2. Going Down To Main Street
3. Born With Nothing
4. Caldonia

B-1. Funny Sounds
2. Love, Deep As The Ocean
3. Let The Good Times Roll
4. Kansas City

Produced by HENRY GLOVER

ウチにあるアナログ盤は発売されてから数年後、雑誌のバーゲン広告で見かけたので藤沢の スミヤまで出かけて入手したもの、その時は売り切れだったのですが、女性の店員さんが有り得ないくらい親切で(わずか980円の カットアウトなのにも拘らず)再入荷した折に連絡をくれたお陰で目出たくゲット、想えばのどかな時代でした。つい最近、元々は見開きジャケットだったこと を知ったのですがウチのはペラジャケ、メンバーのクレ ジッもがなくてとても不便なんですが、贅沢は言えません。さて彼の地にマディ・ウォーターズを迎えての録音、ウッドストックお得意の集合写真からも当時の 歓迎ぶりが伺えますが、マディ御大ほかシカゴ勢とリヴォ ン・ヘルムのドラムを真ん中に、ポール・バターフィールドとガース・ハドソンが助さん角さん状態で横に控える、といった編成で展開されていきます。アコー ディオンとハープが軽快に転がるA-2.とか、セッション風にユルく決めたA-4.でのお茶目な掛け合いなどでは、ベアズヴィルの離れ、ジャケ裏にも写っ ている通称「ザ・バー ン」での楽し気なセッション風景が目に浮かぶようです。ルイ・ジョーダンのレパートーリーを2曲採り上げているのも面白いところですが、 これが意外に似合っています。いかにもマディ・スタイルのA-3.なんかでは強烈なスライドも披露していますが、全体としては和気あいあい、ユッタリ 感覚が感じられます。
cup


dirt

Dirt Farmer / Levon Helm (2007)
  Dirt Farmer (Vanguard) 79844-2 (US)
1. False Hearted Lover Blues
2. Poor Old Dirt Farmer
3. The Mountain
4. Little Birds
5. The Girl Left Behind
6. Calvary
7. Anna Lee
8. Got Me a Woman
9. A Train Robbery
10. Single Girl, Married Girl
11. Blind Child
12. Feelin' Good
13. Wide River To Cross

Produced by LARRY CAMBELL

久しぶりに出たリヴォンのこのソロ・アルバムのジャケット写真を見て一言、お爺さんに なったなぁ・・・。ノドの癌の手術によるものか声は昔とちょっと違っている。録音はウッドストックのLevon Helm Studios。13曲中5曲がトラディショナル、曲目ごとにミュージシャンのクレジットが載っていて、ドラムレスの曲を除いたほとんど全曲でリヴォンが ドラムを 叩いているのだが、1曲だけAmy Helmという人が叩いている。彼女、スリーブの写真を見る限りリヴォンの娘さんだと思われるが、そのAmyはほとんどの曲にバック・ヴォーカルでも加 わっ ている。ギター関係もエレキ無しでリ ヴォン自身がアコースティックギターを弾いている。トラッドが多いのと、よりルーツ・ミュージック指向が強まったせいかバックもシンプル、アコーディオ ン、フィドル、マンドリン、ドブロ等の楽器が使われている。2曲目の'Poor Old Dirt Farmer'では、女房も子供達も去っていった、帰る家もなくなった、と云うような内容が歌われる。
kettle

double

DOUBLE-BACK / HAPPY & ARTIE TRAUM (1971)
  CAPITOL (TOSHIBA-EMI) VSCD-534 (1994 JP)
1.〜11. from "HAPPY & ARTIE TRAUM"

12. Scavengers
13. Confession
14. Jacksboro
15. The Ferryman
16. The Seagull
17. Handful Of Love
18. Cross Examinator
19. Mister Movie Man
20. Brother Thomas
21. Love Song To A Girl In An Old Photograph

Produced by HAPPY and ARTIE TRAUM

このアルバムの'Handful Of Love'を聴いてどっかで聴いたような歌だなぁと考えてみたら想い出した、村上律+中川イサトのコンビでこの曲に中川が詞を付け、「飲んだくれ女」とい うタイトルでカヴァーしていたものを昔聴いていたのだった。この曲の間奏は今聴くと何でもないのだが、ハッピーの弾くギターが完コピされていて、当時は 「流石は中川イサト、上手いなぁ」と感心した覚えがある。ハッピー・トラウムというとアメリカン・フォークのソング・ブックとか教則本で有名だが、この頃 にはこんなシンガー・ソングライター的なアルバムを出していたのかと考えると、フォークの伝道者的存在になる前のシンプルなハッピー&アーティーの姿が感 じられて、今こうしてアルバムを聴くととても新鮮に聴こえてくる。1曲目にWeldon Myrickの長閑なペダル・スティールが流れてくるだけで嬉しい限りである。
kettle

BEARSVILLE
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